些細にして最初の一歩 <理想のうな重>

鰻屋の修行と言うと、割き、串打ち、焼き、に分けられますが、その前の段階として、追い回しがあります。 

 

でも、今の飲食店なんかは、本当に人材不足でそんなポジションまで若い者を揃えられないのが実際の所ですが、下の者の仕事がきちんとしている店は、やはり良い店です。

 

どう言う所かと言うと、うな重では飯がきちんと炊けているか。

 

鰻が入る部分を計算しつつ、タレが万遍なく掛けられていて、しかも重の底に掛け過ぎたタレが溜まるみたいな不細工な掛け方をしていない。

 

タレの色が重の底まで沁みているけれど、底には溜まらないと言う絶妙な掛け方をしているか、と言うところは重要な「美味い」の条件です。

 

 

専用のタレを掛ける道具で、三つの口から細くタレが出るようになっているタレ掛けがあるのですが、あれを1人前に使いこなせる様になるのも、やはり一定の期間が必要です。

 

しかも重のご飯を見ただけで、適切な量のタレをタレ掛けの中に残しタレ掛けを動かさずに、重を持つ左手でご飯の方を動かして満遍なく掛けていきます。

 

うな重を開けて、ぱっとご飯の白いところが目に入ったら、ハッキリ言って素人の仕事です。

 

チェーン店さんなんかのうな丼では、そう言う事は期待しませんが、やはり専門店ではどうしても、そう言うところに目が行ってしまいます。

 

しかも、重の底にタレが溜まっていたら落胆です。 

 

でも、簡単に絶妙な量を掛けた時のように、底の方までタレの色は付いているけれど、タレが溜まらないようにする方法があります。

 

それは炊き立てのご飯を使う事です。

 

そうすると、タレの量が少々アバウトでも、きっちり量を計算した時の様に理想のタレの掛け具合が、簡単に実現します。 

 

 

 

うな重の判断基準と言うのはタレの掛け具合だけではないので、ほんの一部の些細な事なのですが、割きや焼きと言った仕事以前に最も大事な事なので敢えて、触れてみました。

 

もちろん、鰻の表面に均一に照りが乗っていて攣れてる部分がなく、ふんわりと、そして皮目がパリッと焼けているなんて言う事が大事な事には間違いありません。

 

と言う事で、今日は理想のうな重、しかもちょっと細かい部分の話題でした(笑