家庭の味とプロの味 <出汁のお話>

豚汁や筑前煮を作る時に、ものの本では肉を下処理した後で鰹出汁を使って仕立てるのが紹介されています。

 

でも、我々の間ではあまり鰹出汁と、肉の出汁をかぶらせて使う事はしません。

 

では、どんな出汁で仕立てるかと言うと、水に昆布を加え、酒をたっぷりと加えた煮汁を仕立てます。

 

そこで鶏肉や豚肉を炊く事で、旨味が抽出されて良い味わいになってくれるんですね。

 

むしろ、鰹の出汁が強いと肉の旨味とかぶって、下品になると言う考え方です。

 

 

 

ですが、これもプロの仕事であって、実は家庭用には適していないかもしれません。

 

短時間でさっと作って、しかも旨味が豊富な出汁を薄味で仕立てる、ご家庭の料理なら、こう言う作り方が理想です。

 

我々プロの仕事では、たとえば粕汁なんかを仕立てる時でも、常に考えるのはスッキリした味わいで、会席料理の最初を飾るに相応しい綺麗な味わいです。

 

だから、味付けも魚の切り身に塩を回しておいて、昆布と酒を突っ込み出てきた塩分に薄口醤油を加えて、吸い物に近い味わいに仕立てながら酒粕を溶き入れます。

 

でもご家庭の粕汁なら、鶏肉や豚肉など、しつこい旨味に加えて塩は使わず、味噌で仕立てる・・・となります。

 

そういう時の旨味は複雑な味わいが合うのです。

 

という事で、本日はご家庭の出汁と、料理屋の出汁の違い、出汁のお話でした。