円滑の技 <鯛兜の梨割り>

梨割り・・と言う言葉にも馴染みが無いと思いますが、動画の解説にも入れたように、果物の梨を半割りにする動作に喩えてこの名があります。

 

でも実際は、果物の梨を割るほど簡単にはいきません。

 

天然真鯛、しかも4kg超の兜だと、骨も半端じゃなく硬いです。

 

出刃を口から入れ始め、割り進めていきますが、かなり年季を要する仕事の一つではあります。

 

でも、これもある時期からすっと、力が抜けてくる時があります。

 

動画を見ると、ガチガチに力が入っているように見えますが、これは武内の未熟なところ。

 

実は自分では、そんなに力が入っていると言う気持ちはありませんし、慣れない者が、この仕事をやる時とでは、全く違います。

 

動画を見ると、少しずつ割り進めています。

 

 

これが小さな2kg下ぐらいの鯛なら一気に割れます。

 

でも、大きな兜の時に一気に割ってしまうと、包丁の進行が曲がって厚い身と、薄い身が出来てしまう事があります。

 

それを避けるために、少しずつ進んでいるんです。

 

また刃を入れる角度ですが、俎板に対して水平に使うことが刻み物では多いですが、こういう硬いものだと45度くらいが基本です。

 

大げさに言えば、俎板に対して垂直に入って、水平に切り終わるのが理想かと思います。

 

と言うのは、水平のまま押し付けても刃というものは機能しません。

 

水平から刃を前後に動かす動きがあって初めて機能が発揮されます。

 

その動きを入れつつ、刃が進むように包丁を使うと自然と45度くらいになるんですね。

 

 

垂直に入って、水平に切り終わる、そして硬い部分では45度近辺の角度・・・ですから、つまりは弧を描くように包丁を使う事になります。

 

包丁の使い方を極めていくと、徐々にその動きは円に近くなる。

 

武内の経験上の持論です。

 

この話題はあまりにも専門的過ぎて分からない事ばかりかと思います。

 

大変失礼致しました。

 

「料理人教習用」と、名前をつけていますので、その辺の所を意識して解説してみました。