祝粉の仕事 <貝汁>

貝のお吸物のお話しです。 

 

今頃の季節はアサリや蛤など、値を下げていますし、良い物が大量に入荷する季節です。 

 

やはり旬の物を味わうって言うのが、経済的でもあり、理にかなってる事です。 

 

無い物を、プレミアを付けて売る、買うってのは、やはりどこか不自然です。 

 

酒も然り。 

 

無い酒を追っかけるのも、武内は好みじゃありませんが、話が逸れました。 

 

蛤やアサリを吸い物にする時は、出汁は使いません。 

 

 

貝から良い出汁が出ます。 

 

補うくらいに昆布を突っ込んでおく位ですね。 

 

水に、よく洗った貝を加え酒と昆布を突っ込んだら火に掛けます。 

 

沸いてきたら、アクを掬い、淡口醤油で味を調えます。 

 

貝から塩分が出るので、淡口醤油で味を調えるのが優しい味に感じます。 

 

塩だけで潮仕立てなんて言うのもありますが、家庭でのお食事には、それほど向かないのではと思います。 

 

さて、これだけでは何なので、和食の吸い物にはお約束があって、椀種、椀褄、吸い口を使うのが基本です。 

 

 

例えば、今回の貝の吸い物でしたら、出汁をとった貝を椀種にしますよね、椀褄と言うのは、その椀種に添えるもの、つまり今回なら若布とか、豆腐なんかを添えるわけです。 

 

そして吸い口。 

 

これは香りを立たせて、椀の蓋を開けた時に、ふわっと香る季節の特徴を感じさせる物が良いとされてます。 

 

例えば木の芽や、芽葱なんかが貝の吸い物には合いますね。 

 

他には、祝粉。 

 

これは和食の献立では、よく出てくる名前で胡椒を指します。 

 

胡椒の歴史は古いです。 

 

正倉院にも胡椒が保存してあったと言いますから。 

 

貝汁に胡椒の吸い口、和食の基本としてご記憶ください。