全然気にしません <かき揚げの仕事>

今回のコースで、1番のネックになった一品。

 

それが「かき揚げ」です。

 

立ち食い蕎麦や、多くの飲食店で「かき揚げ」を目にする機会は多いと思います。

 

でも、我々・・職人の間では実は高等な技術を要する、難易度の高い仕事です。

 

認識としては、一般の方とは大きく異なる事かと思いますが、かき揚げを綺麗に揚げられたら、天ぷらの職人としての第一関門はクリアーかもしれません。

 

そういう自分は、天ぷらの職人をしていた経験はないのですが、子供の頃から実はカウンターの天ぷら屋には、よく連れて行かれました。

 

お好みの天ぷらを注文して、揚げたてを楽しむ、あのスタイルに感動しました。

 

子供の頃の大きな楽しみのひとつとして、記憶に強く残っています。

 

その、体験から和食の世界に入っても天ぷらと言う仕事には興味があり、様々な人の文献にも目を通して、学んできたつもりですし、何軒かの有名なお店の天ぷらも味わいました。

 

 

 

また、鰻の職人をして居る頃には、並びに天ぷらの専門店もありましたから、そこの職人と、会話の中から色々なヒントを貰い、自分の仕事にも生かしてきた経緯があります。

 

それでも、何が本当のかき揚げか、最高のかき揚げの条件とは・・、

 

そんな所を突き詰めると、未だ結論の出ない仕事かもしれません。

 

そんな迷いもある中で、現在は元天ぷら職人のスタッフも厨房に居まして、その仕事には、納得させられる部分が多いです。

 

そんな仕事を、間近で学びたくて、実はかき揚げをコースの中に入れました。

 

その職人が、殆どのコースで自ら油の前に立ち、揚物を担当してくれていますが、ご存知の通り、我々は定休日がありません。

 

と言う事は、その職人が休みの日でも同じクオリティで揚げ物を担当するスタッフを育てなければならない。

 

そこに、武内も立候補しています。

 

50歳を過ぎて、下の者から仕事を習う・・なんて言うと、プライドの高い職人の世界では、バカにされるかもしれませんが、全然気にならないのも武内の長所です。

 

習った仕事を、さらに進化させて武内らしい一品に育てる事。

 

職人として、これほど楽しい作業はありません。