そこに春の足音 <笹筍と蕗の煮物>

笹筍と言っても、なかなか生の物は一般の八百屋さんでは見かけませんが、水煮になったものや、真空パックに入っている茹でた物なら案外、簡単に探す事が出来ます。

 

生の物なら、先を斜めに切り付けて縦に包丁の切っ先で切れ目を入れたら、糠を加えた湯で茹でて、そのまま冷ます。

 

その後、皮を剥けば売られている水煮の物と同じ状態になります。

 

穂先を残す様に剥いて、柔らかい姫皮と共に煮物にします。

 

糠臭さを抜くために、一度茹でこぼすのは、我々の間では「清湯(きよゆ)」と呼ばれる仕事です。

 

茹でこぼした笹筍を、しっかりと水気を切って出汁に移します。

 

 

酒と味醂、塩と淡口醤油と言うのが、料理屋風の仕事ですが味醂と淡口醤油だけでも一向に構いません。

 

お惣菜となるべく、ややしつこい目に味を調えてじっくりと煮含めて下さい。

 

その間に、蕗の掃除です。

 

葉を外し、長かったら二つに切ってまな板に塩を一握り置いたら、その上で転がします。

 

板ずりと言う仕事です。

 

蕗は灰汁が強いですから、塩で水分を吸い出しつつ、緑色を安定させる効果があります。

 

 

その後、たっぷりの湯で茹でます。

 

その時に、蕗が湯から顔を出していると中途半端に火が入り、灰汁が回って黒くなります。

 

しっかりと湯に沈める、そして強い火力で一気に湯で切ってしまいます。

 

この時の茹で加減が甘くても、後から色が黒ずんできますからしっかりと中心まで火が入るのを目指して下さい。

 

蕗を湯に入れて、沸騰が収まり、また再沸騰する。

 

そこから、また少し茹でる・・・そんな感覚です。

 

茹であがった蕗は、すぐさま冷水に落とします。

 

 

青い物を茹でる時の感覚としては、100℃から0℃、これが基本です。

 

実際には、厳密に温度を計って蕗を茹でる・・と言う事はありませんが、これも感覚で覚えて、実行して貰えると茹で物が綺麗に仕上がります。

 

その後、蕗の皮を剥きます。

 

太い方から、表面の皮を剥いていき何本かを纏めて一気に剥くと早いです。

 

そして仕上がりに細い方からも、きっちりと皮を剥く事。

 

必ず、細い方には硬い筋が残りますから、この筋も綺麗に取り去って下さい。

 

 

皮を剥いた蕗を23cmに包丁します。

 

案外、人の口にひと口で入るサイズは小さい物です。

 

慣れない若い者に、こう言う仕事をさせると必ず5㎝ほどの、噛み切ってようやく口に入るサイズに揃えます。

 

和食を召し上がる時の美しい所作は、我々料理人がきちんとした仕事してこその結果です。

 

ひと口で召し上がれるサイズ、どんな時も心掛けて頂きたい基本です。

 

さて、ここまで出来たら筍を炊いている鍋に、加えます。

 

ややしつこい目に、仕立てた煮汁が若干薄まります。

 

 

もう一回、味を調えて蕗に味を含んだ頃合いで、火を止めます。

 

我々の世界では蕗を綺麗な色に仕上げる為に、なるべく火を入れずに仕上げる方法もありますが、あれは見せかけだけの料理。

 

こう言った煮物は、しっかりと出汁で炊いてこその味わいが生まれます。

 

蕗に味を含ませるのは時間的には、1015分くらいの物で結構です。

 

そのまま冷まして、味の浸透するのを待って、もう一度温めたら完成です。

 

笹筍と蕗、ざっくりと盛り付けたら天盛には、山椒の若い芽・・・木の芽をこんもりと乗せて、色合いと香りを添えてお楽しみください。

 

 

もちろん、笹筍でなくとも普通の筍でも充分にお楽しみ頂けます。

 

蕗と筍、季節の妙味を存分に堪能される事を願っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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