贅沢気分の庶民素材 <銀ふぐのお話>

先日は久しぶりに丸のふぐ、しかも大きいのを2本仕入れて、営業をこなしながらの仕込みました。

 

アジの姿造りを4本、ご注文で造りつつ・・他の刺身オーダーもぽんぽん入ってきまして、その間にばらして、身を磨き、皮まで引いて。

 

そして翌日は、ビシッと鉄刺を・・・と言うところで水曜日。

 

当日はお休みを頂きました。

 

とは言え、ご安心ください。

 

 

銀ふぐと言う毒のない種類、気軽に楽しめる庶民のふぐでして。

 

ですが・・・いくら毒の無いふぐとは言え、丸のふぐを仕入れてばらしてお出しするとなると

 

免許が必要です。

 

 

 

取り扱う認証も必要で、どこでもお出しできると言う品ではありません。

 

 

 

 

このあたりが、坐唯杏らしい仕事です。

 

さて、お題の「銀ふぐ」と言うのは、実は正しい言い方ではありません。

 

地方によって、様々なふぐを「銀ふぐ」と呼ぶ事があります。

 

ご存知のとおり、ふぐは種類によって毒性が異なり、部位による毒性に違いがあるため種類を間違うと、まさに命取り。

 

大変な事故が起きるので、標準和名と言う統一された名前を使うのが我々、ふぐ調理師には義務付けられています。

 

この銀ふぐも、クサフグやショウサイフグをギンフグ、サバフグと呼ぶ事がありますが、正しくは、今回のフグは「クロサバフグ」と言う種類です。

 

このフグには毒性がありません。

 

 

だから、土佐・室戸よりの出荷も、フグの免許を確認せずに送ってこられます。

 

とは言え、樂旬堂・坐唯杏は、フグ取扱所の認証も受けていますし、専任のフグ調理師として、武内が登録されていますからトラフグ、マフグ・・とどんなフグでも調理できます。

 

だから、今回のクロサバフグも丸で仕入れてお出しするのは、実は限られた店でしか出来ない仕事です。

 

さて、クロサバフグですが市場では、磨いて身だけになって売られていたりもします。

 

しかし、そういう品は水揚げされてからの日数が、かなり経過しているため刺身では使えないものが多いです。

 

 

フグの干物や唐揚などには、充分に使えるものですが鮮度の良いクロサバフグはなかなか、市場では手に入らないのが実情です。

 

なので、このクロサバフグが東京において、刺身でどんどん食べられるようになる事はほぼありません。

 

素材としては、実に庶民的な気軽に楽しめる魚ではありますが、希少な存在とも言えるというのが、クロサバフグの刺身です。

 

実際のところ、トラフグの様な上品な旨味ではありませんが、しっかりとフグの食感ですし、味わいにもフグとしての魅力は豊富にあります。

 

クロサバフグ・・・「銀ふぐ」、

 

気軽な宴にはぴったりの「鉄刺」を、楽しんでみてはいかがでしょうか。