楽しみを増す <刺身の食べ方>

刺身の楽しみ方・・・と言っても、普通に食べれば良いだけ。

 

あまり堅苦しく、重箱の隅を突くような話ではありません。

 

それでも、より美味しく召し上がるために、ちょっとした知識があると

いっそうの楽しみが増えます。

 

まずは食べる順番。

 

盛り合わせなどで、何種類かの刺身が盛られている場合なら、淡白な身質の白身魚から食べ始め、より濃厚な味わいや、より脂の多い魚へと食べ進むのがそれぞれの味わいを楽しめる。

 

最初にマグロの大トロなどを口にしてしまうと、後から白身魚などを食べた場合に繊細な風味が感じにくくなりますから。

 

これは、もう当たり前のことなので、おそらくは多くの方が自然に、そういう順を選んでいる事と思います。

 

後は刺身に添えられている褄の使い方です。

 

 

刺身の褄というと、和食の職人ならば必要最低限、刺身を食べるのに必要な褄を必要な量だけ添える、と言うのが原則です。

 

昨日お伝えした山葵のお話でもありましたが、刺身に対して必要以上に褄を添える風潮もありますから、一概にどこの飲食店でもこの原則が通用するかと言うと疑問もありますが、刺身を食べ終えたときに褄も食べ終える。

 

つまりは、刺身の皿を食べ終えたときには綺麗な景色にする事も食べる側のマナーと言えます。

 

褄には三つの働きがありまして、香りや辛味を添えてより味わいを増す事。

 

解毒作用や静菌作用を利用して安全に食べる事。

 

そして三つ目は、口の中をリセットする働きです。

 

 

解毒作用・静菌作用は食べた後の事ですから、食べるときにはさほど考えずとも良い事ですが、香りや辛味を添える働きに関しては、一切れずつ違った味わいを演出する事を強くオススメします。

 

ひと切れ目は、山葵だけ少し利かせて。

 

ふた切れ目は山葵と、酢橘を軽く搾って・・と言う風に、楽しみ方を自分なりに組み立てていくと褄が生きますし、刺身も生きます。

 

そして口の中を、刺身と刺身の合間にリセットする。

 

大根の褄や、若布・海藻などがこの働きを担ってくれます。

 

武内の刺身の盛り付けなどは、年々・・褄の量が減っています。

 

と言うのは、召し上がらない方が多いからでして、必要最低限の量と言うのが時代と共に変化しているのも感じるからです。

 

 

それでも、ごく僅かな方たちですが刺身を食べ終えたときに褄も綺麗に無くなっているお客様を見ると、嬉しくなると同時に気が抜けないお客様と感じる事も。

 

刺身の食べ方、ちょっと頭の片隅に入れて楽しんでみると、いっそうの味わいを感じる事が出来ると思います。