またひとつ、美味を知る <基本の鍋雑炊>

さて鍋の雑炊と言うと、色々な好みもおありでしょうが、和食の世界で、最も基本とされている様な仕立て方をお伝えしましょう。 

 

まずは存分に鍋を楽しみます。

 

ただし、そのときの火加減や出汁の量には注意が必要です。

 

最高の〆を迎えるには、準備が万端でなければなりません。

 

ふぐの鍋を楽しむ方の中には、最高の雑炊を楽しむために鍋の仕立て方から細心の注意を払って仕立てる方もいらっしゃいます。

 

まずは強く煮立てすぎない事。

 

出汁が濁っては、本来の綺麗な旨味が堪能できません。

 

 

そして濃厚な出汁を、適量残す。

 

この適量と言うのが、なかなか難しいところです。

 

雑炊に使う出汁は、さほど多くは必要ありません。

 

自分で思うより若干少なめの量に調えて貰うとちょうど良いと思います。

 

その後、もう具材が終わる・・と言うタイミングで鍋の中をきれいに掬って出汁だけにしましょう。

 

もちろん、具が残っていても何の支障もありませんが、雑炊をより

ピュアにお楽しみ頂くには具は邪魔、という考え方です。

 

 

 

しかも魚の鍋となれば、出汁の底に小骨などがあったら台無しです。

 

全て穴あきのお玉で掬って、綺麗にします。 

 

そしてフグや、魚の鍋などチリ鍋の時は、鍋出汁には昆布と塩だけが基本なので、雑炊用に出汁の味を調えます。 

 

加える調味料は淡口醤油が基本です。 

 

酒と僅かな味醂、淡口醤油で、ほんの少し調えると言った具合ですが、雑炊の味の仕立て方は、案外しつこいです。 

 

雑炊として食べて、丁度よい味にしようと思ったら、けっこう味が強めになる事を意識した方が良いかもしれません。 

 

また多くの店では、雑炊用にカエシを用意します。 

 

味醂少々と酒、淡口醤油で合わせた、合わせ醤油です。 

 

これを少し垂らせば、バランスのとれた味わいが出来るように調整してあります。 

 

さて、味を整えたらご飯を加えます。 

 

雑炊のご飯は洗って使うのが基本です。

 

 

 

粘りを取り去って、あくまでもサラッと仕立てるのが基本的な雑炊の仕立て方です。

 

かき混ぜながら煮込んで粘りを出したものを、我々は「おじや」として区別しますが、本来は粘りによって雑炊とおじやを区別する認識は無いようです。

 

しかしながら、お客様の席に洗ったご飯を持ち出すのは、景色的に好みではありません。

 

単なる武内の趣味の話なのですが、客席で鍋を雑炊に仕立てる場合は洗っていないご飯、厨房に鍋を引いて、我々が雑炊を仕立ててお出しする時は洗ったご飯を使っています。 

 

洗う・洗わないは微々たる問題です。

 

 

要はさらっと仕上げる気持ちで取り組むか、それともその意識がないかです。

 

また、洗ったご飯で水気が多いと、最初の出汁の仕立て方は、やや濃いめに仕立てなくてはいけないので、味の計算が少し複雑になります。 

 

さて味を調えた出汁を沸かしておいて、ご飯を投入します。 

 

そして、ひと煮立ちさせたら、即!溶き卵を回しかけます。 

 

そのまま、火を消して蓋をしたら、しばし蒸らして玉子を半熟に仕上げたら雑炊の完了です。 

 

蓋をあけて、三つ葉や葱を散らし、銘々に取り分けて海苔を載せます。

 

 

 

と言う事で、ここまでが雑炊の仕立て方なのですが、 

 

案外、皆さん・・ご存知ないのが、ポン酢を垂らして召しあがる方法です。 

 

チリ鍋の時は、鍋の薬味として青葱の小口切りと、紅葉おろしが必ず付いてきますね。 

 

雑炊の上に薬味を好みで置いて、ほんの少しポン酢を垂らして召しあがってみて下さい。 

 

ふぐチリ、鯛のチリ鍋など、鍋を堪能して、もうお腹いっぱい・・の筈なのに、また食欲が湧いてくるような錯覚を感じるかもしれません (笑

 

 

 

基本的な雑炊の仕立て方、ポイントは・・

 

・ちょうど良い出汁の量・質

・ややしつこい目に味を調える

・ご飯を加えたら、かき混ぜない・煮込まない

(・薬味とポン酢醤油をたらして食べるのも良い)

 

以上のことを、気を付けて貰えたら料理屋に負けない味わいが楽しめると

思います。