ひょいと、プロテク <ふぐの取り扱いⅡ>

高価な素材と言うことで、ふぐの取り扱いには細心の注意を払いますが、一般の魚とは、若干取り扱いが異なる部分があります。

 

普通の魚なら、鱗を取り去り腹を開けて、内臓を除いたら、そこで水洗い。

 

以降は、きれいに水を拭き取ってアラに叩いた後は、水気を切ったままで取り置きます。

 

兜などは割ったあとに、口の内側など洗い直すのが基本ですが、他の部位に至っては、ほぼ水気を切った状態での扱いが基本です。

 

しかし、ふぐの場合は違います。

 

 

 

アラにした後も、トコトン・・水に晒しつつ残った粘膜や細かな血合い、内臓の残りなどを洗い流します。

 

こういう処理をしますから、ふぐのアラに限っては鍋の材料にする時に湯通しをしない場合もあります。

 

臭みは殆どなく、表面を熱で固めておかなくても、鍋に投入するときに沸いた状態から入れますから、仕上がりに影響がないのです。

 

ただし、普通の魚に比べて、水洗いに使う水の量は数倍に上ります。

 

粘膜が非常に多い魚ですから、その除去には手間も時間もかかります。

 

 

その作業を、水に晒しつつ行うから使う量も格段に多いのです。

 

さて、鍋の材料が整ったら刺身に移ります。

 

刺身の造り方は、まず包丁を弧で使わない・・つまりは入れた角度のまま真っ直ぐ平行に包丁を移動させることです。

 

弧で使うと角度が変わります。

 

そうすると、薄く何枚も造るふぐの刺身では、並びが悪くなるときがあります。

 

この辺は、多分に感覚的なものですが入れた角度のまま、まな板に対して斜めに引き終わることを目指して貰えると、仕上がりが良くなると思います。

 

とにかく、同じ切り身を出来るだけ多く造ること。

 

これがふぐの刺身の鉄則です。

 

斜めに包丁を入れ始めて、真っ直ぐに引いてきて・・まな板に当たった時点で包丁の角度を立てます。

 

 

 

包丁で身を起こす様にして、峰の上から出てきている刺身の角を左手の親指と人差し指でつまんで、向こう側へ二つに折ります。 

 

その頂点を器の狙った位置に置き、刺身の手前のほうを包丁で押さえながら頂点の身が跳ねるように、左親指を抜きます。

 

そのときに左手の手首を内側へ、絞り込むように使うと親指が抜けやすくなります。

 

それでも、上手に抜けずに左手に切り身がまとわりつく時がありますが、簡単な方法で解決します。

 

それは、左手を冷やすこと。

 

手が温かいと、切り身が上手く離れません。

 

 

 

体調を崩して、熱っぽい時など特に実感します。

 

それが手を冷やすと簡単に手から離れるようになりますから、上手に盛り付けられない時は、ぜひ、お試しください。

 

やや幅の狭い造り身を、几帳面にビシッと並べる。

 

それが、美しいふぐの刺身を造る時のコツです。

 

ついでに、ふぐの皮にはびっしりと棘がついていて、皮引きと言う工程をしないと食べ物になりません。

 

皮の引き方は、皮の貼り方。

 

いかにまな板に、びしっと貼り付けられるか。

 

そこが、上手くいくか・いかないかの分かれ目です。