満開の卵が咲いた <スクランブル・オムライス>

人気の日替わりランチでは、以前の盛況な時代では、日に4050人前をご用意していました。

 

現在は2030と言う事で、やや寂しくなりましたが、それでもお昼時の集中したご注文に対応するのは、様々な工夫が必要です。

 

「オムライス」と言うメニューを提供したい。

 

しかも、トロッとした焼き立てのオムレツを乗せたオムライスと言うと、なかなか対応には難しい所があります。

 

そこで、考案したのが「スクランブル・オムライス」でした。

 

和食の仕事には「びしょ玉」と言う手法があります。

 

 

 

煎り玉子を半熟で、柔らかく練り上げて、刻んで下味を含ませた野菜を和えこみ、平たく伸ばしてオーブンで焼く、「袱紗焼」と言う料理などに使う手法ですが、このびしょ玉を使って、オムライスを仕立てる事にしました。

 

生卵に牛乳や生クリームを加えて、京都の甘めの白味噌・・もしくは信州味噌系の白い田舎味噌を加えて味を付けます。

 

僅かに味醂や淡口醤油を加えて、味を調えたら大きな鍋で火に掛けて、箸を数本使いながら、半熟状態まで煎りあげる。

 

卵の腰を裏漉しに通して切ってしまうのが好みの職人と、卵の腰を生かしてやや白身と黄身のムラがありながらも仕上げる職人がいます。

 

 

 

武内は腰を残すタイプが好きで、ざっくりと練っていきます。

 

とは言え、その時の火は極弱い炎に調整して、場合によっては湯煎で仕上げます。

 

強めの火で一気に仕上げると、びしょ玉自体が粗くなる。

 

仕上がりは細かい繊細な寄り方をしている玉子が美味しく感じます。

 

びしょ玉を仕込みながら、ご飯を炊きます。

 

生米をバターで煎って、透明になるぐらいまで熱を通したらスープ仕立ての炊き込みに仕上げます。

 

細かく切ったハムやベーコン、人参、ジャガ芋、アスパラ、などなど適切なタイミングでご飯に加えて、炊きあげます。

 

 

その時の調味は、酒、味醂、塩、淡口醤油に僅かに胡椒を加える程度です。

 

そして炊きあがってお櫃に移す時に、トマトケチャップを加えて和風のケチャップライスを完成させます。

 

この二つが用意出来たら、営業開始。

 

ご注文が入ると、ケチャップライスを盛り付け、上にびしょ玉をこんもりと乗せたらケチャップを天盛に留めます。

 

何十人前と言う、オムライスを一気に仕上げる、しかもひとつひとつ丁寧に仕上げたものと遜色のない仕上がりを目指したオムライス。

 

こう言う段取りを組んで、スクランブル・オムライスが出来上がります。