目がはなせない <茶碗蒸しの手法>

茶碗蒸しの手法と言っても、要は生卵を出汁で伸ばして蒸して固める、それだけなのですが、その用途は色々な料理に応用されています。

 

もちろん、イタリア蒸しにも使っていて、簡単に説明する時は丼サイズの茶碗蒸しです、と言う言葉に集約されますが、職人の間では玉地で寄せた一品と言うことになります。

 

茶碗蒸しでありながら、プロの中では少しだけ認識が違う一品です。

 

こう言う料理は他にもありまして、タラやフグの白子を玉地で蒸した一品があります。

 

「白子蒸し」なんて呼ばれますが、簡単に言えば白子の入った茶碗蒸しですが、職人によって様々なレシピがある料理です。

 

茶碗蒸しの出汁の中に裏漉しした白子を加え、さらに具としても白子を碗の中に据えて蒸す・・と言うのが多いですが、レシピとしては多彩です。

 

大体の場合、餡掛けにするのですが醤油色の鼈甲餡(べっこうあん)に仕立てる職人も居れば、色をつけない銀餡に仕立てる職人もいます。

 

また、他に有名なのは小田巻蒸し。

 

 

ご存知、うどんの入った茶わん蒸しですが、軽い食事もなり・・また、ご飯やお酒の友としても、人気の一品です。

 

また、高級な所では「鱧の玉地蒸し」と言う一品もあります。

 

焼いた鱧の骨を出汁を引いて、碗の中にも骨切した鱧を据える。

 

ここに、玉地を注いで蒸して仕上げる。

 

我々の感覚では玉地と言う、独特の手法に見えるレシピでも「出汁」を味わう料理と言うのは、強い認識です。 

 

また、コノワタや塩辛、蟹味噌などを茶碗蒸しに仕立てる場合も多いです。 

 

小さな蓋付きの珍味の器にコノワタをほんの少し入れて、そこに茶碗蒸しの出汁・玉地を注ぎます。 

 

珍味の器ですからほんの少しです。 

 

それを通常の茶碗蒸しのように蒸して、暑い頃なら冷やしの珍味として、涼しい頃なら、熱々の状態で匙を添えて提供します。

 

 

 

コノワタには鶉(うずら)の卵が落としてある事もよくありますが、玉子とコノワタは出会いものです。 

 

コノワタの風味が玉地全体に滲み出て、優しい味わいの珍味が出来上がります。

 

と言うように、茶碗蒸しの手法を使った料理の代表例を挙げましたが、例えば茄子の煮物を器に据えて、玉地を張って蒸した一品や、珍しい所では豚の角煮を中に据えて玉地で仕上げる、なんて言う一品も、最近は見かけます。

 

煮物を作った時や、渾身のスープ、摺り流しが半端に余った時の応用料理としても用途は広いです。

 

また、蒸す器を柚子釜にしたり、柑橘系の釜を仕立てる。

 

または柿やリンゴ、変わった所ではアボカドなどを、釜に仕立てて茶わん蒸しを仕立てて、釜ごと召し上がって頂くう様な工夫も、最近の流行です。

 

 

と言う事で、茶わん蒸しの手法を解説させて頂きましたが、自由闊達。

 

様々な応用の中で、新たな一品として発展していく茶わん蒸し。

 

今後も目が離せない存在です。