酒香る時、春薫る <酒寿司>

発祥は薩摩の国、鹿児島県の郷土料理です。

 

島津の殿様の宴の後、残った肴と地酒を使って一緒に、桶に入れておいた所、実に旨い寿司となった・・とか、

 

実は、その由来については定かではなく、一説として伝えられていると言うことです。

 

ただし、南国の春の訪れを告げる南風(はえ)の吹く頃、爛漫の春を満喫させてくれる郷土料理には、間違いありません。

 

戦場食と、災害に備えた保存食を中心に、実益を重んじている薩摩料理には珍しく、華やかにして豪快、豪華な一品です。

 

 

 

お作りになる時は、そのあたりをお考え頂き手近にあるもの、仕込んで用意するものを上手に組み合わせて、気持ちの華やぐ一品にお仕立てください。

 

さて、まずは寿司飯ですが、酢はほとんど使いません。

 

僅かにお使いになるのも結構ですが、甘味のしっかり感じる日本酒と砂糖、塩で寿司飯を合わせます。

 

使う具材は、鯛・イカ・海老などと季節の野菜、筍や蕗、椎茸をご用意ください。

 

鯛は切り身に造り、強めの塩を当ててしばらく置いたら、甘酢に漬けます。

 

海老は茹でて、イカは薄味で炊いておきます。

 

季節の野菜も、それぞれを炊いて細切りにするのが本場の仕立て方ですが、お好みの大きさに切りつけておきましょう。

 

地元には、酒寿司用の桶が各ご家庭には用意がありまして、寿司飯・具材と三段から五段ほどに重ねて、押しをかけて仕込みますが、我々が仕立てる時でもこの仕立て方は、しません。 

 

と言うのは、やはり豪華な具材をしっかりと見えるようにチラシ寿司の様な盛り付けが映えるからです。

 

 

 

寿司飯を容器に敷き詰め、それぞれの具材や錦糸玉子や、彩の良いものを上に盛り付け、さらに酒を振り込みながら蓋をして3~4時間置きます。

 

この時に使うのは、もちろん樂旬堂・坐唯杏の得意な無濾過生原酒です。

 

場合によっては、宗玄のにごりの様な濃厚なにごり酒も実に良く合います。

 

時間が経ち、蓋を開けたときの芳香は、我々の様な酒好きなら、堪らない魅力があります。

 

春の訪れを満喫する一品「酒寿司」、ぜひとも何かの機会にはお試し下さい。