業界の品質、高めたい <包丁・切りつけの向き>

魚の切り身を切りつける時の向きや、皮目での包丁の使い方・・・

 

 

独立前に、少しだけ勤めたホテルの厨房でも、全くこの基本は理解されていませんでした。

 

 

 

今の時代、促成の教育で料理人を仕上げる物ですから、当たり前の基本がスコンと抜けてるのを、良く見かけます。

 

 

 

料理番組でも、有名店のシェフなんて人が出てきて、魚を切り身にする時がありますが、目を覆いたくなる様な仕事が紹介されている時が

ありまして。

 

さらには、例えば「ぶりの照り焼き」などで画像検索すると、半分近くは切りつけの時点で、間違った向きに仕立てています。

 

正しい切り身になっていても表と裏を間違えて盛り付けていたり・・・、 

 

確かに素人さんには、切り身の向きなどは関係無いかと思いますが、プロとして人前に立つなら、きちんとした仕事を見せて頂きたい所です。

 

さて、そんな陰口をここに書いていても、仕方ありません。

 

正しい、切り身の向きを紹介しましょう。

 

 

 

まずは腹の身でも、背でも頭に近い方から切り始める場合と尾に近い方から切り始める場合では、包丁の寝かせ方が違います。

 

 

大きな原則として、魚を置く時には手前を低くして、向こう側を高くすると言う鉄則がありますから、これは刺身を造る時でも、切り身を

造る時でも一緒です。

 

腹でも背でも、自分の前に置く時は血合い側を向こうに置きます。

 

そして、切り身の切りつけは、基本的に裏から包丁を入れて皮目で包丁を立てて皮目の幅をきっちりと取ることにより、焼物や煮物にした時に綺麗な切り身になる様にします。

 

 

当然、全てそぎ造りですから、左端から包丁を入れます。

 

俎板のやや手前に置いて、頭から入る時は、背の場合でも腹の場合でも、包丁の切っ先を斜め右に倒して切り始めます。

 

どうしても、背節・腹節ともに両端は細くなりますから、真ん中の部分を切り付ける時と同じ切り身が出来るように、斜めに切りつけて大きさを調整します。

 

この向きは表から包丁を入れる時でも、裏から造る時でも一緒です。

 

 

刺身の場合は、そぎ造りなどは裏から入ります、薄造りなどの時は表から入ります。

 

 

 

だから魚の切り付け方を、全ての場合で考えれば右端・左端の表・裏で4種類の切り方がありまして、これをそぎ造り、平造りで考えれば、その倍・・8種類の切り付け方があるのです。

 

 

だから刺身の場合ですと、その魚に対して1番適した切り方を素材から判断します。

 

8種類の切り方から最も優れた切り身が出来る方法を選択するのです。

 

さて頭から入る時は、包丁の切っ先を斜め右の方向の倒しましたが、尾の方から入る時は逆です。

 

包丁の切っ先を左斜めに倒して切り身を造ります。

 

 

 

実際に造って見ると分かりやすいのですが、この方向で切り付けないと繊維を垂直に切り付ける事が出来ませんし、切り身の太いほうが左側にきて皮目が向こう側に来る切り身が出来上がりません。

 

と言う事で、未だ・・・殆ど分からない説明だったでしょうか。

 

ですが、この基本を理解してない職人が山ほど居て、そんな基本さえ知らない職人でも、日本料理の大御所的な扱いをされているのを見かけます。

 

 

実際に、松花堂弁当などで、焼魚の切り身が入っていても、逆の切り身になっていたり、ただぶつ切りにしてあったりと、内容は酷いものが多いです。

 

殆どの人は気にならないでしょうけど、ちっちゃい人間の武内としては・・実は気になって仕方無いと言うところです(笑

 

もし、このノウハウを多くの方が理解して下さったら和食界の職人のレベルも上がらざるを得なくなります。

 

実は、そんな所を狙っています。