面で造る <和包丁の使い方>

力を抜いて滑らせる様に、包丁を使う。

 

こんなフレーズが武内の説明には、頻繁に出てきます。

 

実際、武内と一緒に仕事をして、こう言う感じで使う…って言うのを肌で感じると、理解も早いんですが、なかなか言葉だけの説明では伝わらない事も多いかと思います。

 

それでも、また書くわけなんですが、もし、ご興味がありましたら、坐唯杏の店内で実演させて頂きます。

 

 

さて、和食の包丁使いの基本となるのは、刃の面の所です。

 

右利きの人間なら包丁を持つと、刃の右側が斜めになっていてここが研ぎしろとなります。

 

 

方や、左側は真っ直ぐの平らな面で、殆ど砥石は当てません…、と言うのは半分は本当で、半分はウソです。

 

研ぎしろをしっかり研いで、裏側にカエリが出てきた所を裏研ぎするわけですが、この真っ直ぐな面を包丁を使う時には基準にします。

 

片側だけを研いで、刃を付ける片刃の包丁は全て、そういう使い方が基本です。

 

 

例えば打ちもの…、まぁ刻みものですよね。

 

それをする時も、刃の左側を真っ直ぐに素材に当てる様に滑り込ませる感覚です。

 

刺身の時も、左側の面が刺身の断面を滑って、まな板に真っ直ぐに着地するイメージ。

 

右側の刃は斜めですから、包丁そのものを真っ直ぐに下ろす感覚で使っても必ず斜めに入り始めます。

 

我々でも、気を抜いて包丁を使うと、徐々に内側に入っていくんですね。

 

だから意識して左側の面を真っ直ぐに素材に当てながら使うのです。

 

 

これが出来ただけでも和食の包丁使いは格段に会得できます。

 

後はいつも言う、刃全体を使って、大きく滑らせる様に包丁を使う事。

 

良く洋食の人間で刃先をまな板に当てて、包丁の元だけで刻みものをするシーンを見かけます。

 

また調理師学校、出たての人間なんかが、こんな使い方をします。

 

でも和食の包丁使いでは、この使い方は×です。

 

刃先に近い所と元に近い所では、必ず先の方がよく切れます。

 

その良く切れる所から、包丁を入れて全体を使って素材に負担を掛けない様に、滑らせて切りきる。

 

そう言う使い方が和食の基本です。