「不器用」に注目 <ヤガラのお話>

「ヤガラ」と言っても、なかなか一般の方には馴染みのない魚ではありましたが、あの<さかなクン>が、ラジオ番組で紹介したらしく美味しい魚として、現在・・注目を浴びつつあります。

 

では、ヤガラとはどういう魚かと言いますと、ひと口で言えば「珍魚」です。

 

我々がヤガラと呼ぶのは、一般的にはアカヤガラのことです。

 

アカヤガラの他にもアオヤガラと言うのがおりますが、不味いという事で市場には出回りません。

 

アカヤガラと言う魚は、体長が1.5m~2mくらいの細長い胴体の魚です。

 

文字通り、赤い胴体で驚く事に体長の半分近くは、頭部で・・しかも「口」。

 

それも「嘴(くちばし)」です。

 

 

 

断面は六角形で、先の方に僅かながら開く部分があって、そこに鋸状の歯があります。

 

大きく開くことは出来ずに、小魚をするっと吸い込んで捕獲するとの事。

 

長い嘴が、かえって邪魔なのでは・・と、要らぬ心配をしたくなります。 

 

この魚は、非常に不器用で決して身をくねらせる事がなく、長い魚で知られる鰻や穴子、鱧などとは全く違う動きを見せます。

 

直線状に悠々と泳ぐだけで、その姿は海の中で漂う小枝や海藻のようにしか見えないとの事。

 

当然、この様子が矢柄に例えられての「ヤガラ」と言う名があります。

 

また、尾びれの中央には長く伸びた1本の筋があり、この筋が後退の出来ないヤガラの外敵センサーになっているのか、はたまた外敵を威嚇するためのものかは詳しく分かっておりません。

 

 

そして、このヤガラですが・・・我々の認識だと非常に淡白な味わいと言う魚でした。

 

「~でした」と言うのは、その認識が土佐・室戸のヤガラを使い始めて一変しました。

 

確かに、淡白なのですが綺麗な白身の中に、実に豊かな味わいが潜んでいます。

 

ヤガラと言うと、昔から知られる仕事としては炙って椀種にしたり、昆布で締めて刺身に使ったりするのが一般的です。

 

と言うのは、やはり淡白な身質に旨味を補ってこそ、その味わいが生きると言うのが常識だったからです。

 

ところが、室戸のヤガラを使い始めてからというもの、昆布締めなどしなくとも全く気にならなくなりました。

 

引き締まった白身に加えて、豊かな味わいを感じるピュアな味わいは、その必要性が全く感じられません。

 

 

 

むしろ、余分な仕事をしない方が美味いと感じるのではと言う判断です。

 

そして、メニューに載せていても、一昔前は我々から積極的にアプローチしなくてはご注文を頂けなかった魚でしたが、最近はお客様の方から説明をしなくとも、ご注文を頂けています。

 

良い魚が多くの人に知られてきた事、美味い魚だと知れ渡って来た事を実感します。

 

現在、室戸より順調に入荷しています。

 

メニューに見かけましたら、ぜひぜひ!お楽しみ下さい。

 

また余談ではありますが、この魚を干したものは子供のおねしょに効果があるとか、真偽のほどは定かではありませんが。

 

 

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    Quugle (水曜日, 01 3月 2017 23:55)

    素敵なサイトですね!赤ヤガラのさばき方のコツなど興味津々です。只今Quugleではご寄稿を募集しておりますので、もしよろしければ秘蔵のレシピか、プロの技を教えて頂ければと思います。