艶めかしい舌触り <莫大海のお話>

「莫大海(ばくだいかい)」はアオギリ科の植物の種子で、日本料理では「莫大海」と呼ばれますが、中華料理にも使用される薬膳素材です。

 

殻に覆われた種子を水に漬けると殻が破れ、中から藻の様な粘液で

包まれた柔らかい状態の果肉が出てきます。

 

この果肉を、和食の世界では酢物や刺身の褄として利用します。

 

薬膳に使用されるほどなので、熱や乾燥による喉の痛みや、咳を鎮める効果があります。

 

御節の一品も、ゼリー状の粘液質で覆われた喉越しの良さを生かし、同時に、年末年始の乾燥して風邪を引きやすくなる時期には相応しいと想い、献立に入れました。

 

もし、凝った料理屋などで見かける時があったら、そんな効能を思い出して

お楽しみ頂けたら効果もいっそう高まるかと。

 

さて、和食ではシンプルな使い方ですが中華料理では、その戻し汁を重視する

傾向があります。

 

エキスが染み出た、栄養豊かな戻し汁を使わないのはもったいない事ですから。

 

中華料理で、よく仕立てられるデザートを紹介しましょう。

 

莫大海は中国では膨大海(ボンダァハイ)と呼びます。

 

戻し汁と、果肉を別々に取り置き、戻し汁には砂糖と蜂蜜を加えてひと煮たち。

 

仄かな甘み、かと言って決して薄過ぎるのは、莫大海自体に味わいが、さほど

ありませんから、似合いません。

 

上品かつ、適度な甘味で調えたシロップを戻した莫大海に、熱々のうちに

かけて、そのまま数分ほど蒸します。

 

莫大海にも仄かな甘味が沁みこんで、ゼリー状の部分の食感が更に良くなります。

 

そのまま冷やして、フルーツの賽の目切りを浮かべたら、それで完成です。

 

フルーツはマンゴーや、パパイヤなど南洋系の物が合います。

 

莫大海、決して手に入りやすい素材ではありませんが、もしどこかで

お買い求めになられる事がありましたら、簡単なレシピなので試してみては

いかがでしょう。