2012年12月30日の<松風>

御節には付き物の一品と言うイメージがありますが、いかがでしょう。 

 

挽肉を練って、アクセントに木の実や果物を加えて型に決めてから焼き上げ、タレを掛けて一面にケシの実をまぶした一品です。

 

四角いつくねの様な食べ物ですが、おそらく1度は口にした経験がおありになるのでは、と言う品です。 

 

まぁ、なんでも、誰だかの短歌、「浦を吹く松風は寂しい」なんて言う一節から、表には一面にケシの実を振るけど、裏には何もしない所から「松風」と言う名前がある一品です。 

 

この料理を作るときのコツは、全てを生の挽肉から焼くと、表面の焼き上がりと、内部の火の通り方のバランスが取りにくいので、7~8割がたの挽肉を、まずそぼろに仕上げて、それを生の挽肉で和えてから焼くことです。

 

 

 

この手法はフレンチなどでもファルシーって言ったかな、詰め物なんかを作るときには、よく使う手法です。 

 

それは生の挽肉から焼くと焼きあがった時に縮んで、せっかく詰めた

物が、中で踊ってしまう、もしくは外れて出てきてしまうのを防ぐ為です。

 

大方の肉を火を通してから詰めれば、縮む率は格段に減りますし、

火の通り方も良くなって、仕上げる時間が短縮されますし、

 

焼き上げる時間と技術が節約できるんですね。 

 

ここ何年かは鴨の肉を使って、松風を仕上げていますが、やはりひと味、旨味が強いように感じます。 

 

そして、いつもだとブランディーに漬けたレーズンや煎った松の実を使うところですが、今年は少しお洒落にドライフルーツを使って焼き上げてみました。 

 

ほんのり洋酒の香りがして、さりげない甘味が鴨肉には良く合います。

 

坐唯杏が詰める御節の中では、貴重な肉料理。

 

ぜひぜひ、お楽しみください。