真っ直ぐ長くが願いです <叩き牛蒡>

御節の一品の決まりもの、三種の祝い肴と言うと必ず入るのが、この一品「叩き牛蒡」または「酢牛蒡」とも言いますが、その過程に若干の差はありますが仕立て方は、ほぼ同じです。

 

叩き牛蒡の場合は、切り付ける前や切り付け後に軽く包丁の腹で叩いて繊維を壊し、味の浸透を良くして食感を食べやすくします。

 

使う牛蒡によって、この叩くひと手間が欠かせない物もありますし、逆に叩いてしまうと牛蒡のコリコリした食感を悪くしてしまうと判断した時は、そのままの切付でいきます。

 

食べやすい長さ、太さに合わせて縦に幾つかに包丁を入れた牛蒡を湯通しして熱いまま、合わせ酢に絡めます。

 

 

 

 

この時に粗摺りの胡麻を加えて風味をつける事が多いですが、中には油が出るまで摺った胡麻を使い胡麻和えの様な形で仕上げる職人もいます。

 

胡麻和えの様に仕上げる時は、下味を軽くに留めて和え衣にきっちりと喰い味を入れるのが基本です。

 

合わせ酢だけで仕上げる場合は、牛蒡から水が出てくるのと合わせ酢が絡んだ部分だけ味が付くのを防ぐために、酢に絡めた後に何回かの天地返しをします。

 

上下を入れ替えて、味の浸透を均一に仕上げる、この工程は不可欠です。

 

合わせ酢は、酢と砂糖が基本です。

 

 

 

甘味と酸味にバランスが取れるように調えますが御節の場合はやや甘めに味をつけます。

 

塩や淡口醤油で味を引き締めて、濃い味わいの合わせ酢を牛蒡に絡めます。

 

とは言え、牛蒡の中は何も味が無い状態ですから濃い味の合わせ酢が浸透すると丁度良い仕上がりになるのを目指します。

 

牛蒡はよく、細く長くの願い込めて・・と言われますが「細く」と言う部分が実に謙虚で日本人的と感じていました。

 

でも、本来は地中に真っ直ぐに根を張るため、家の基礎が堅固である事を願う素材なのです。

素材との事です。