上カルビに飽きたら <炊込み・牛肉飯>

「肉飯」は、元々は焼肉屋の賄飯から派生した炊き込みご飯です。

 

大きな塊から部位ごとに取り分けていく、ばらす工程では、端肉が案外沢山出ます。

 

その端肉も、実はかなりの上質な味わいを持った肉が多いのです。

 

その端肉を有効に活用して、賄で楽しむ事は、やはり我々の様な厨房で仕事をする者にとっては、喜びのひとつです。

 

焼肉屋の賄飯ですから、難しいテクニックもほぼ必要ありません。

 

事細かに、火の通し具合や、脂の調整、味わいの決め方を精査して

極上の一品を目指すと言うのも、職人の世界では必要な事ですが、賄に掛けられる時間は限られていて、しかも手早く美味しい物を編み出す事が価値のある事です。

 

そういう意味では、非常に優れた炊き込みご飯です。

 

 

ロースやハラミ、カルビの掃除した端肉を使って・・と、言いたい所ですがなかなか肉屋さんでも手に入りません。

 

大きな所だと、そう言う極上の端肉だけを集めて売っている所もありますが滅多に見かけません。

 

むしろ、小間肉の中に極上の部位を見かける時があります。

 

見た目にも柔らかな脂肪の網目が入り、鮮やかな色合いでこの部分は美味しいなと直感する肉が、なるべく多く混じった小間肉を買い求めてきましょう。

 

その肉を、湯通ししても良いですし、少し表面だけ油で煎り付けても良いのですが、生のまま、研いだお米の上に載せて焼肉のタレで味を加減した水を注ぎ、炊き込みます。

 

もうこれだけで、充分に美味しい肉飯が仕上がります。

 

お好みで牛蒡の笹がきを一緒に炊き込んだり、仕上がりに葱や芹、青菜の細かく刻んだ物を載せて蒸らせば、さらに美しく、味わいもアップします。

 

 

端肉と焼肉のタレで調味した炊き込みご飯「肉飯」、温度玉子を載せれば「月見肉飯」の完成です。

温度玉子ではなく、生卵の黄身でも充分です。

 

何かの機会にはぜひ、お試しください。