繊細一路のクライマックス <金柑のお話>

金柑と言うと、子供の頃にはさほど好きではなかった柑橘ですが、大人になったら、何とも言えない苦味や酸味、甘味のバランスが柑橘の中でも大いに好みになりました。

 

年齢と共に嗜好が変わる。

 

そんな実感が、楽しめる素材です。

 

さて、金柑の栄養価・・・これは侮れません。

 

皮ごと食べる金柑は、その皮部分に豊富な栄養価を含んでいます。

 

ビタミンC、カルシウム、それに苦み成分や色素の成分は抗酸化作用があり、これらの栄養素が、それぞれ協力して活性酸素を撃退し癌や老化を予防します。

 

 

また水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく含むために便秘を解消し、動脈硬化を予防するとの事です。

 

その生い立ちについては、原産地は中国で、先ほどから書いている様に、香酸柑橘として扱われますが、植物的にはミカン属ではなく、独立したキンカン属です。

 

江戸時代に薬用として渡来して以来、栽培が進み宮崎県、鹿児島県、高知県などで盛んに栽培されています。

 

そして、この金柑の調理では、毎年・・・実に泣かされます。

 

と言うのは、種を抜く工程を加えたら、もう種入りの金柑には戻れなくなりました。

 

 

これがまた繊細な作業な上に時間を要する、仕込みの山場の様になっています。

 

でも、食べた時に種が出てこない金柑、我々には大きな感動です。 

 

さて、金柑の蜜煮を作る方のために、レシピをご紹介しましょう。

 

金柑は、まずよく洗ってヘタを楊枝や竹串を使って外します。

 

その後、針打ちするのですが、お尻の部分に重点的に針打ちをするのが基本です。

 

と言うのは、苦味の成分がやはり重力によりお尻の方に集中しますし、あとの行程で水分を切るところがありますが、水分のキレが良くなります。

 

 

我々の場合は、針打ち後から切れ目を入れます。

 

包丁の柄に近い部分の角を使って、狭く深く平行に1個の金柑に710本の切れ目を入れます。

 

ここから種を抜く作業があるので、決して気を抜けない工程です。

 

そして水から茹でて水に晒す、この工程を二日から三日繰り返します。

 

この時に、余分な苦みや酸味をある程度、抜いてしまいます。

 

そして、これがコツ・・・蒸し器で10分から20分ほど蒸して水分を

飛ばします。

 

盆ザルなどにキッチンペーパーを敷いて、お尻を下にして並べてから、

蒸す事で中の水分が水蒸気になって飛んでいきます。

 

そして水分を飛ばした金柑を、砂糖を溶かした煮汁で炊きます。

 

丁寧に仕立てるなら、この時の蜜煮も二回に分けて二度炊きをすると

含みが良いです。

 

これで金柑の蜜煮が完成です。

 

茹でこぼして、苦味を抜いていく時に耳かきの様な道具を使い、種を抜く。

 

 

 お時間がありましたら、挑戦してみてください。