語りかける野菜たちの水 ・・・青菜の胡麻辛子和え

我々職人が、野菜の和え物を作るときは、ひたすら水気が出ないよう水分の絞り方、味の薄まらない方法を駆使します。

 

でもこの和え物は違います。

 

薄まるのを計算に入れて、濃い醤油で絡めて水気が出てきてちょうど良い、薄まってピッタリの味に仕立てる和え物です。

 

この和え物を、専門用語では和え混ぜと言いますが、細かい事は気にせず、気軽に仕立ててください。

 

青菜は柔らかい所だけを使います。

 

小松菜やほうれん草、春菊などを茎から葉を外します。

 

 

葉だけをむしる・・・この仕事を「葉みしり」と言いますが、葉だけにして茹でます。

 

少々の塩を加えた湯で、柔らかく茹でます。

 

最近の傾向では、歯ごたえを残す、シャキシャキした食感が残ってなんぼ、みたいな価値観がありまして、青菜を柔らかく茹でる事を指示すると、

 

「クタクタ」にして美味いですか?などと訊いてくる若い者もおりましたが、それは、それぞれの職人の感性。

 

何でも習ったことはやってみると言う柔軟性が無いと、職人としては

世界を縮めます。

 

 

湯に青菜を加えたら、もう一回・・沸騰してくる位に茹でて下さい。

 

その青菜を笊にあけて、手早く団扇で冷まします。

 

冷ましながら、ざっと水気を切りつつ合わせて置いた胡麻醤油に辛子を加えた物で和えます。

 

胡麻醤油は、煎った胡麻を擂鉢であたって、醤油を注ぎます。

 

それだけです。

 

胡麻和えなどは砂糖を加えたり、出汁で伸ばしたりする事もありますが、生醤油の味わい、そのままで合わせて辛子を加えます。

 

辛子のつんとした刺激と、胡麻のコクを感じる醤油で先ほどの青菜を和えます。

 

 

この時の醤油の量だけは気をつけて下さい。

 

入れ過ぎると、やはり味が強くなり過ぎますが、後から水が出て丁度良い位で調えます。

 

やや少なめにしておいて、後から調整する・・・でも失敗が少なく済みます。

 

醤油で和えて、しばらくすると水が出てきて下に溜まりますが、上下を返してしっかりと混ぜ合わせて盛り付けて下さい。

 

 

丁寧に仕立てるなら、この天地返しをして、しばらく置き、もう一度天地返しをすると完璧です。

 

一度和えたら、冷蔵庫にしまって冷やしておくと良いです。

 

柔らかく茹でた青菜の味わい。

 

野菜から出た水気と、辛子・胡麻・醤油の組み合わせが円やかな

味わいとなり気軽に楽しむ和みの調和を楽しんで頂けます。

 

あと、もちろん葉を外して残った茎も茹でてサラダにしたり、酢味噌を

つけて食べたりすると、良い肴になります。

 

ぜひぜひ、気軽に楽しむ和食の和え物。

 

お試しください。