鰤(ブリ)のしゃぶしゃぶ

ブリに限らず、魚のしゃぶしゃぶを仕立てる時は皮付の切り身に仕立てる事が多い・・と言うのは、皮なしの切身だと火が通るにつれ、バラバラになってしまうからです。

 

以前、魚のしゃぶしゃぶをコースの一品で組み入れて、お客様にお任せにしたら、ぐつぐつ煮込んでしまい、魚の破片鍋になってた。

 

・・なんて言う、笑えない出来事もありました。

 

 

安易に理解しているものと思い込まずに、改めてと言う気持ちで、きちんとご説明し、本来の食べ方で味わって頂く事の大切さを痛感したものです。

 

しゃぶしゃぶの食べ方は、さっと表面だけに火を通し、表面は熱々、中はほんのり温かい、そんな状態で召し上がるのが醍醐味です。

 

魚に限らず、肉の場合でも温度によって味わいが変わります。

 

 

たとえ、火の通っていない生肉であろうと冷たい切り身と、温かい切り身では格段に味わいの感じ方に差がある。

 

そこを原点に考えて、しゃぶしゃぶと言う料理を仕立てます。

 

そして魚のしゃぶしゃぶで最も注意する点は皮の存在です。

 

 

魚の皮はコラーゲンの宝庫、硬質たんぱくのコラーゲンにもアミノ酸と同様、旨味を感じる・・と言うのは、珍説かもしれませんが、クエ鍋などは特に、

他の魚の鍋物にしても、ゼラチン状の部分に大いに旨味があります。

 

そこをいかに、美味しく食べるか・・食べて頂くかがしゃぶしゃぶの切身を造る時のコツでしょう。

 

では、実際にどう造るか。

 

 

さっと湯をくぐらせて、身の方は短時間で火が入りますが、皮には

ある程度、時間をかけて火を通したい、と言うのが大きな魚の時に注意したい点す。

 

だから切り身に仕立てる前に、皮には予め少し火を通しておきます。

 

具体的には、三枚に卸して背と腹に分けたら、鯛の松皮造りの様に湯を掛けて氷水に落とすと言うひと手間を加えます。

 

このひと手間で、実際にしゃぶしゃぶに仕立てた時

の皮の食感が激変します。

 

皮がきっちりと縮みきるまで、しっかりと熱湯をかけ回

します。

 

包丁する時はしっかりと冷やしてから切ると、皮と身が

離れずに切りやすいです。

 

そして、皮目を下にして身の方から刺身で食べる時よ

りも若干薄めに大きめに広めに切り身とします。

 

最後の切り離す時は、包丁を立てて真っ直ぐに切り離

す様にすると皮もりやすいでしょう。

 

その切り身を河豚の刺身・薄造りの様に絵皿にでも並

べて盛り付けて下さい。

 

アラがあれば、最初に鍋に加えてしゃぶしゃぶの昆布

出汁にしっかりと旨味を載せておくのが、基本的な仕立

て方です。

 

アラから味わいが出た所で、しゃぶしゃぶの切り身をさっ

と湯にくぐらせて表面は熱々、身の中心部分は生の食感

が残っているけど仄かに温かい。

 

その位のタイミングを見計らってお召し上がりください。

 

ポン酢醤油や胡麻ダレ、お好きな付けダレを添えて。

 

特に皮目の食感と身の食感の対比が、大きな魚だと楽し

めます。

 

ちょっとしたひと手間・・・ご自宅で魚のしゃぶしゃぶを仕

立てる機会などありましたら、ぜひ!思い出して下さい。

 

そして、美味しい皮目と共に、魚の味わいを存分に堪能

して下さい。