技術職の心構え

厨房の世界の仕事と言えば、もう何度もお伝えしていますが、どんなに勉強したとしても、知ってる事よりも知らないことの方が多い世界です。

 

つまりは、どんなに極めたと思っても上には上が必ずいる。

 

頂上を極めた途端に、新たな頂上が現れる。

 

そんな無限の空間を、いかに自分の行きたい所へ行くかを楽しむのが、調理と言う技術職です。

 

 

だから、武内の様に53歳になっても、知っている事は知っているけど、知らない事も山の様にあり、その分…

他の職人が分からない事でも熟知している事もある…と言うのが、冷静な評価です。

 

現に、今まで一緒に働いてきた人間で・・年上、年下に限らず尊敬できる人間は沢山いました。

 

若くても、その世界で長年、同じ仕事をしている人間は、ある世界においては非常に優れたノウハウを持っている。

 

 

そういう人間と一緒に仕事をする機会があれば、それは幸運な事です。

 

知らない世界の仕事を知るチャンス。

 

頭を下げて「教えて下さい」の一言が、自分の成長に繋がります。

 

だから厨房の世界では、知らない事は恥ずかしい事ではありません。

 

むしろ知らない事に出会った際に、謙虚に頭を下げる姿勢は、教えを乞う

者であっても尊敬に値します。

 

 

では逆に、信用を無くす、信頼をなくす行為として最も代表的なものが、知らない事を知っているかの様に振る舞う事です。

 

あまりにも基本的な事は別としても、専門性の高い仕事に於いては、上には上がいると言うのが共通の認識ですから、知らない事に出会った際には、素直に頭を下げるのは当然の事。

 

当たり前に「教えて下さい」と言うのが、大きな前提ですが、これがその場になると、なかなか出てこない時もありまして。

 

生意気な後輩や、あまりにも年の違う若い者に教えを乞うのはプライドが許せない時もある訳です。

 

そう言う時に、見栄を張り謙虚になれないと、実は激しい自己嫌悪に襲われます。

 

一時の感情で、勉強のチャンスを逃す悔しさは技術職に於いては致命的な好機の逸脱。

 

ならぬ堪忍、するが堪忍。

 

使い方があっているかどうかは分かりませんが、我慢

できない時の我慢こそが成長の糧と言う事です。

 

知らない事は恥ずかしい事では無い、知らない事を

訊かない事が、最も恥ずべき事。

 

これこそが技術職に於ける最も大切な心構えです。