鶏のたたき寄せ、潮仕立て

「叩き寄せ」と言うと和食の世界で、第一に思いつくのは「鶉」です。

 

鶉は「ウズラ」と読みまして、若い世代の人たちでは現物の鶉を見たこと無い人も多いことかと思います。

 

鶉の卵は、よく知られていますが一昔前なら日本中、いたるところに野生の鶉がいて、親鶉と子鶉で列になって走っていたものです。

 

と言うのは、実は子供の頃ほんの一時・・・埼玉県の三芳町に住んで居たことがあり、その時の思い出でありまして、東京では一切見たことはありません。

 

話が逸れました。

 

 

鶉で仕立てることが多い叩き寄せですが、鶏肉なら手軽に手に入ります。

 

鶏の挽肉を買ってきて、擂鉢に入れます。

 

僅かな塩と、京都の白味噌、生姜の絞り汁を加えてざっくりと混ぜ合わせます。

 

そこに、浮粉(うきこ)と言う固める力が1番優しい粉を乳白色に水溶きして混ぜ合わせます。

 

浮粉など、そうそう見かけることはありませんから、片栗粉で代用しても良いでしょう。

 

緩く緩く、ふわっと固まる程度に伸ばすのが、この料理の1番のポイントです。

 

また擂鉢で塩分を加えて摺っていくと、どんどん粘りが出てきます。

 

ハンバーグなどは、この粘りを出すところまで練りこんだほうが扱いやすく

仕上がりが良いですが、叩き寄せに関しては粘りは不要です。

 

加えた調味料と、水溶き片栗粉がざっくりと混ざる程度に擂鉢で摺って下さい。

 

そして、昆布と酒を加えた湯の中に、この肉を落としていきます。

 

スプーンで掬って、裏返しにすると自然に落ちる程度の柔らかさが理想です。

 

湯が沸いたら昆布は引き上げる・・と言うのが基本ではありますが、この場合は

入れたまま、じっくりと味を抽出してもかまいません。

 

野菜も欲しいという場合でしたら、薄切りの大根や人参を最初に入れておくと

同時に仕上がります。

 

落とした挽肉に火が通ると出汁の中に浮き上がってきます。

 

その時点で、塩を加えます。

 

このときに頑張って、最初の一口で「美味い」と感じる味付けにしなくても

結構です。

 

和食の味わいは、お椀物なら特に最後の一口で「美味い」を感じさせる事。

 

その為には、やや控えた味わいでなくては最後は疲れてしまいます。

 

夏の椀物なら、最後に茗荷の繊切りなどを添えたら抜群に合います。

 

また塩だけの調味に自信が無ければ、醤油を1~2滴落としてみると味わいが

ガラッと変わります。

 

調味する塩はミネラル分を多く含む塩が、柔らかく感じて良いです。

 

しっかり精製された塩よりも高血圧になりにくいと言う効果もあるそうです。