新玉葱の酢味噌掛け

春先の貝の酢の物と言うと、芥子酢味噌を掛けた「ヌタ」を連想されると思います。

 

この芥子酢味噌、いつの時季にも樂旬堂・坐唯杏では多用します。

 

味噌の風味と酸味と甘味、ツンと来る芥子の刺激は食欲を揺さぶります。

 

これから食事、特にお酒の席の突き出しには絶好の一品だと思います。

 

そしてヌタと言えば、長ネギやワケギを茹でた物をあしらえるのが定番です。

 

とは言え、長葱の旬は秋から春に掛けてですから、今の時季には若干、向かない感覚があります。

 

 

では、そう言う時に武内が自分の晩酌の時に多用するのが新玉葱です。

 

新玉葱にさっと軽く火を通して、蒸した鶏肉などを添えて芥子酢味噌を掛けて酢の物に仕立てるのは、今の時季にはピッタリのおつまみです。 

 

さて、軽く火を通すと言うことですが、長ネギやワケギの場合ですと、我々商売の人間は、長いまま茹でてきっちりとぬめりと水分を除き、2cmほどの長さに切り付けて、貝類などの枕に使うことが多いです。 

 

ところが、この方法は色を留めて大量に仕上げる時には向いていますが、どうしても水の中に旨味が逃げると言うデメリットもあります。 

 

では、少量・・・しかも色止めもさほど考えない時にはどうするかと

言うと、最初に切り付けた葱を少量の水で炒めるように火を通し、笊に揚げたら団扇で冷ます。 

 

そんな方法を使います。

 

さらには、それも面倒な時にはきれいなサラダ油でさっと炒めてしまい

団扇で煽って冷ます方法を使います。

 

少し多めに仕上げて、冷蔵庫にいれて冷やしておけば、しっかりと味が

残った葱のヌタが楽しめるのです。

 

 

この方法を新玉葱でも使います。

 

やや細めに長さを揃えて切り付けておき、少量の水で煎りつけて笊に

広げて風を当てて冷ます。 

 

もしくは、さっと油で炒めてしまい芯に生の感覚が残るくらいで冷まして

芥子酢味噌を掛けて食べるわけです。

 

場合によってはドレッシングやマヨネーズの時も、多々あります。

 

こういう素材のサラダはむしろ歓迎でして。

 

さほど好きではないと言ったり、歓迎と言ったりで忙しいことですが、

さっと火を通すことで甘味は増幅し、味わいも凝縮して素材自体の味わいが

ぐっと濃く感じる。

 

少量の水で煎りつける手法、油で炒めて冷まして使う手法。

 

 

覚えておくと、いつものサラダが・・ひと味変わります。