味噌仕立ての澄まし汁~鯖の味噌煮

鯖の味噌煮を仕立てる時は、薄めの味噌出汁で長時間煮込んで、

最後に味噌の風味を生かすために、追加の味噌を溶き入れ味を

調えます。

 

この手順を知っておかないと、これからのお話は理解できません。

 

つまりは、長時間煮込んでしまうために、最初に溶いた味噌の風味は飛んでしまいます。

 

だから、味噌の成分さえ残っていれば、大方のバランスは取れる。

 

この時の出汁に、澄まし汁を仕立てた後の出汁を利用するのです。

 

味噌汁なのに澄まし汁?

 

 

たいていの方は疑問に思う事でしょうが、多目の味噌汁を仕立てて

1時間ほど放置し、その上澄みを使う吸物の仕立て方があります。

 

それが味噌の澄まし汁です。

 

白身の魚の切り身などを、この上澄み出汁に沈め、煮上がった瞬間を汁ごとお椀に盛り付けて、柚子や山椒、七味などを振り味わいます。

 

季節の青味や、海草、根菜や山菜など、季節の添え物を同じ出汁で

温めて熱々を吸うと、えも言われぬ奥行きのある味わいが賞味できます。

 

京料理などでは、赤出汁系の八丁味噌を使うことが多いですが、田舎味噌で仕立てても、ご家庭でのお椀なら充分に、その魅力を味わう事が出来る一品です。

 

かく言う、我々の様なプロの料理人の仕事では、この上澄みを

取った後の濃厚で、かつ味の薄い出汁を使って賄いを仕立てます。

 

その時の一品、数ある利用法のひとつが「鯖の味噌煮」です。

 

上澄みを取り、残った出汁に酒と味醂、砂糖を加えて鯖の切り身を

しっかりと煮込んで、最後に風味の良い上等な味噌を溶きこんだら

賄い料理とは思えない一品が出来上がります。

 

味噌の澄まし汁、滅多に見ない仕立て方ですが、一度覚えると

癖になる味わいがあります。

 

ぜひ、何かの機会にはお試し下さい。