鯖の卵の塩辛

本店の人気の肴に「鯖の卵の塩辛」がありました。

 

本来、鯖の卵なんて言うと煮物にしても、あまり美味しくないので、捨てられてしまう事の多い部位です。

 

 

ところが、塩漬けにして数ヶ月、塩を抜いて酒で合わせると、これが、なかなかの佳肴に仕上がります。

 

そこには多少の小細工もありますが、素材の本来持っているパワーのなせる業です。

 

少々、その小細工を紹介するとパワーがあるとは言え、鯖の卵や白子、肝だけでは、若干、味わいが乏しい。

 

 

では、どうするかと言うと、鯛や平目、鱸などなど、高級魚と言われる

魚の卵、白子、肝を混ぜ込んでいます。

 

高級魚と言われるには、やはり、それだけの力が備わっています。

 

味わいが、ぐっと増します。

 

鯛の肝、白子、平目の肝、鱸の肝、、、鳴門の村さんの鱸には必ず肝を添えていましたが、食べられた方ならご存知のはず。 

 

鱸の肝でさえ、上品で豊富な旨味を堪能できます。 

 

これが鯛や平目となると、しかも武内の好み、大きなサイズの鯛や平目では、肝、そのものの量も多ければ味わいも、力強い旨味を感じて頂けると思います。 

 

鯖の卵自体は、全体量の9割を占めていますが、残り1割の、これらの肝や白子が、この一品の底味を支えています。

 

イカの塩辛などを自家製するところは多くありますが、魚の卵の塩辛を仕込むとなると、期間もかかりますし、けっこうな手間も要します。 

 

でも、年間メニューである〆鯖から、夏前には卵、白子が豊富に取れます。

 

これらの内臓も、一律、キロ当たり数千円と言う価格で仕入れている事を考えたら、気安く捨てられない。

 

 

やはり、武内は貧乏性のようです(笑

 

鯖の端境期を過ぎて、つまりは産卵が終わって・・・餌を豊富に

食べた鯖は、ぐんぐん脂が乗ってきます。

 

抱卵の時季には、ひたすら塩漬けにして貯めてきました。

 

その塩漬け鯖卵が、ようやく熟成を経て良い味わいへと変化して

出番が来てます。