「火へん」の漢字

「火偏の漢字」

 

当通信でも、しばしば煮物の作り方の中で「炊く」と言う言葉を使いますが、一般の方には少し違和感があるかもしれません。

 

炊く・・と言うと飯を炊くと言う場合に限られた言い回しが一般的です。

 

ですが漢字の成り立ちから追いかけていくと「炊く」の本当の意味では、もちろん、飯を炊くと言う意味も含まれていますが、火を用いて料理をする事と懐石傳書の中では説明されています。

 

煮ると言う漢字も、全ての煮物に使われるのが一般的ですが、この「にる」と読む漢字だけで4種類、紹介されていまして、

 

 

煮る、烹る、煎る、熟る・・・と言うのが、その煮方によって区別されています。

 

煮る・・は、一般に使う言葉ですが、本来の意味は調味をせずに、ただにえたす事と言う説明です。

 

烹る・・は、調味をしてにる事。

 

煎る・・は、汁の乾くまでにつめる。

 

熟る・・は、十分ににる事。

 

 

 

・・・と、我々料理人ですら認識していない漢字の意味があります。

 

辻翁は、祖先から受け継いだ物を簡単に放り出す事に、ただ利に走ると苦言を呈しておられます。 

 

自然を壊し、祖先からの遺産を壊す事、漢字の消滅ばかりか情緒の消失を危惧され、便利とは味気ない淋しい物と結んでおられます。

 

とは言え、文化と言うものは変遷する物。

 

新しい事が始まれば、水が高きから低きに流れる如く自然と淘汰され便利な物が残るのは当然の事です。

 

我々が時代の流れの中ですべき事は、古き良き物で遺すべき物は遺し、しっかりと受け継いでいく。

 

同時に、新しい変化にも柔軟に対応して後世にとって良き礎を築く事と理解しています。

 

原子力発電も、今までの時代では必要性の高い時代に貢献した手段だったと思います。

 

そして今後は、風力や水力、太陽光の発電に取って代わる事でしょう。

 

豊富な海水から水素のエネルギーも開発される事と思います。 

 

漢字と環境問題をひと括りには語る事は出来ませんが、これも文化の

変遷、時代の流れと共に進化していくものだと思います。

 

辻翁は、最後にこうも語られています。

 

漢字の持つ象形的なものをデザイン的にも、もっと楽しみ後世にも

文字を読み、意思を通じさせる楽しさを伝えていきたい。 

 

激しく同感です。