「安かろう・不味かろう」のお話

「池袋」「居酒屋」と言う、キーワードで検索を掛けようとすると、その後に続く言葉が、自動的に表示されます。

 

上位に来ているのは「個室」「安い」「飲み放題」の語句が続きますが、殆ど樂旬堂・坐唯杏では、対応できません。

 

と言うのは、ある意味本当の事ですが、ある意味では間違いでして、

個室などは、設備的な事で1番奥の囲いのあるお席以外では、当てはまらない語句ですが、

 

飲み放題に関してはランチタイムの宴会については、サワー類や果実酒を飲み放題で提供できます。

 

そして何より「安い」と言う価値観は、人によって千差万別。

 

 

つまりは、この料理・酒が出てきて、この値段なら充分に安いと言う価値観を、それぞれの人が、それぞれにスタンダードとなる価格の価値観をお持ちと言う事です。

 

我々が修業時代から、ずっと言われ続けてきた事。

 

それは「安かろう・不味かろう」と言う料理だけは出すなと言う事

 

仕入れ値が安いからと飛びつけば、それなりの素材しか手に入りません。

 

それぞれの職人が、きっちりと素材の良し悪しを判断し、ボーダーラインを設けて、このクォリティ以上の品でないと仕入れない、と言う明確な価値観を持っています。

 

その価値観なくして、料理人の仕事はあり得ません。

 

 

築地市場などは世界最大の規模と取引量ですから、探そうと思えば

いくらでも安いものは見つかります。

 

鮮度が悪くなって投げ売りする魚も、多いのです。

 

現に市場内には、そう言う素材専門の業者もいます。

 

そう言う所とお取引すれば、市場の価格の半値なども当たり前に

仕入れる事が出来るのです。

 

そう言う業者を上手く使って、ランチメニューやオススメメニューを作るチェーン店もありますし、小さな店でも利用している所は少なくありません。

 

要は、それで美味しい料理が作れればそれで良い、と言う考え方でもあります。

 

ただ、和食の世界での大前提で言えば、やはり素材命の所が大きい。

 

少しでも良い素材を仕入れて、最小限の手間、最高の技術や扱いを

施し一品に仕上げる事こそ、我々の1番大切な仕事です。

 

「池袋」「居酒屋」「安い」で検索するのは、決して悪い事ではありません。

 

とは言え、やはり、その「安い」に関しては、自分の磨き込んだ価値観が

あってこそ機能すると思います。

 

ぜひぜひ、良いものを召し上がってその感性を鍛えて、価値観を

磨いて下さい。