茄子の煮物

茄子を煮物にする、なんて言うシチュエーションはご家庭では

年々・・減っているのでは、ないでしょうか。

 

麻婆茄子や天麩羅、油焼や炒め物など、ご家庭での調理法には

やはり油を使ったものが多いように感じます。

 

それは、もちろん茄子と油の相性が良いのも、大きく関係していますが、油を使わない煮物と言うと、色止めが難しい事も関係がありそうです。

 

茄子と油は「出会い物」と呼ばれて、二つの食材が相乗効果でお互いの味わいを高めあい、旨味を増幅する組み合わせとされています。

 

煮物の時も、やはり油を上手に使ったほうが、簡単で美味しく仕上がります。

 

 

 

皮を全て剥きとって、茹でてから出汁で含ませる「翡翠茄子」と言う

調理法もありますが、ご家庭でご飯のお供にする惣菜としては、少々

上品過ぎるかもしれません。 

 

さて、茄子は油を上手に使うと皮目の色が鮮やかなまま仕上がります。 

 

160度よりやや高めの熱した油に、両端を切り落とし、縦に数筋・・

浅い切れ目を入れた茄子を投入します。

 

油に入れてからは、少し忙しい仕事となります。

 

油の中を満遍なく転がすようにして皮目の色が安定するまで揚げないと、色がボケてしまうからです。 

 

油の中でくるくる転がしながら、じんわりと火を通して、箸でつまむと

芯の方まで火が通っているのが分かるぐらいまで揚げます。

 

時間にしたら3~4分と言う所です。 

 

さて、その間に煮汁を仕立てておきましょう。

 

 

蕎麦ツユに少々、砂糖を加えたぐらいの味付けで、鷹の爪や一味、

七味を利かせて後味に、ほんの少しぴりっと来る程度の出汁を仕立てておきます。

 

場合によっては、豆板醤をお使い頂いても風味のある辛さが

良く合います。

 

そして揚げたそばから、この煮汁を沸かしておいて漬け込んで

しまいます。 

 

柔らかい素材で、しかも油で充分に火が通っていますから、煮汁に

漬けてからは、加熱する必要はありません。

 

茄子を投入したら、すぐに火を消して落し蓋をして味を含ませます。

 

この時に、我々プロのやり方としてはキッチンペーパーに鰹節を

包んで蓋にします。

 

鰹蓋と言う手法なんですが、旨味を補填して淡白な茄子に鰹節の

風味を濃厚に効かせて、風味・旨味共に豊富な味わいに仕上げます。

 

 

ご家庭でのやり方としては、鰹節を直に放り込んでも良いですが、

イノシン酸を含む旨味調味料に頼っても、宜しいのかもしれません。

 

 

そして、冷めるまで時間を置いて、食べる時にさっと温めれば

完成です。

 

 

短時間でぱっと温めた方が、茄子の色が良いまま食卓に出せます。

 

 

電子レンジでチンなんて言うのも、適したやり方ですから、そう言う時は

躊躇なく文明の利器をお使いください。