山葵(ワサビ)のお話

フランス料理は香りの料理、中華料理は炎の料理、そして日本料理は・・

 

当通信でも、度々・・本当に何度も何度もお伝えしている事ですが、

 

『水』の料理です。

 

その「水」が、最も影響する素材。

 

数多くある中でも、<山葵(わさび)>はその代表的な素材と言えます。

 

以前、勤めていたスタッフに

 

「本山葵を使いましょうよ、あの黒い粒粒が入っているのが美味しそうですから」

 

 

そんな言葉を聞いて、そんな感覚なのかと改めて感じた事がありました。

 

本山葵を卸した時の黒い粒粒は、実は良い部分ではありません。

 

山葵田の水に有機成分が混じっていると、細菌が繁殖して黒くなると言うのがあの部分の正体でして、綺麗な緑色の山葵こそが良い山葵なのです。

 

通常、山葵と言われる種類は4種類あります。

 

ワサビ、ワサビダイコン、ユリワサビ、エゾワサビの4種類で、最も身近に存在するのがワサビダイコン。

 

西洋ワサビ、ホースラディッシュとも呼ばれ、粉ワサビの材料として一般的に、広く利用されています。

 

とは言え、我々のような和食の店での本命は、やはりワサビ。

 

学名を「ワサビ・ジャポニカ」と言いまして純然たる日本原産の野菜です。

 

産地としては、静岡県が日本一、次いで長野県や島根県、東京の奥多摩も

健闘しています。 

 

山葵の根茎にぶつぶつした突起が沢山ありますが、あれが茎の跡でして、

年輪のように成長の速度が分かります。

 

感覚が密になっていればじっくりと成長した証でして、風味も粘りも強く

上質な物とされています。 

 

また茎がある方と、根茎の先に当たる部分では茎に近いほうが風味、粘り共に

強く、根茎の先に行くに従い辛味は強くなります。 

 

職人によっては、交互に卸す者もいる性質の差です。 

 

さて、そんな山葵ですが坐唯杏では開店以来、冷凍物の西洋ワサビと和ワサビの

ブレンド物を使っています。

 

大昔になりますが、ネットへの書き込みで『「粉ワサビ」で刺身が出てきた。』

 

 

などと言う批判めいた言葉を見つけて、分かりもしない素人が勝手な事を

書くものだと辟易としましたが、黒い粒信仰かなと思った次第です。