トマトの牛乳羹

高知県の徳谷と言う所のフルーツトマトは、特に有名ですが現在、樂旬堂・坐唯杏でもトマトのコンクールで全国3位に入ったトマト農家さんのフルーツトマトを送って頂いて、冷やしトマトを提供しています。

 

本当に旨い食材と言うのは、なるべくシンプルに、その素材の素の味わいを愉しんで頂くのが和食の基本的な考え方ですが、ありふれた素材に手を掛けて、見て楽しい・食べて面白い・・

 

 

興味を惹く料理と言う物もあります。

 

この一品も、どちらかと言えば目のご馳走とでも言いましょうか、紅白の鮮やかなコントラストは、非常に印象に残る一品です。

 

要は、湯剥きしたトマトを、寒天とゼラチンを加えた牛乳の出汁で流し固める料理ですが、そのまま作ると包丁を入れる時にトマトが抜けてきて往生します。

 

熱湯の中に一瞬漬けて、氷水に落としたトマトを丁寧に皮を剥きます。

 

そしてざっくりと縦に包丁して種を抜いたら、薄く塩を当てておきます。

 

その間に、少な目の出汁に寒天を加えて煮溶かします。

 

 

その出汁に牛乳を加えて酒、味醂、塩で薄味に調えたら火を消し、水でふやかしたゼラチンを加え溶かします。

 

そして、塩を当てておいたトマトを、この牛乳出汁で一回、洗います。

 

ここがポイントでして、この手順を省いて流し缶にトマトを並べて牛乳出汁を注ぐ…と言うのが、1番最悪の方法です。

 

流し缶に少量の、冷やして固まる寸前の牛乳出汁を注いだら、出汁

洗いしたトマトを均等に並べて、どこから切っても切り口が見える様に

トマトの位置を決めて動かない様に固めてから、全部の量の出汁を

注ぐと出来上がりがずれません。

 

白地に赤いトマトの切り口が実に鮮やかに、皿の中に映えます。

 

うどんツユの様な淡口醤油の出汁を注ぎ、天盛には卸し生姜。

 

緑の紅葉の葉でも添えたら、完璧な夏の前菜となります。

 

この牛乳羹を出汁で仕立てずに、水と牛乳で甘く仕立てたら、

デザートにもなります。

 

その時はトマトも塩ではなく、砂糖をまぶす、もしくはワインビネガーと

蜂蜜のシロップに漬けておくのが美味しいです。