牛蒡、蒟蒻、椎茸の煮物

改めてお伝えするほどの、気の利いた料理ではありませんが、こういう煮物が嫌いな人は、日本人にはなかなか見かけません。

 

心の故郷、日本人としての何千年・何百年と受け継がれてきたDNAの為せる業と、しみじみ感じます。

 

さて、牛蒡はやや長めの乱切りとします。

 

長さは4cmほど、ひと口で食べられて、しかも牛蒡の味わいを最大限感じられるギリギリの大きさがベストです。

 

 

切ったら、すぐに水に漬けておかないと切り口が褐変します。

 

そして漬けて置いた水を交換したら、すぐに茹でます。

 

茹で加減は、沸いて一呼吸置いたらそれで良し・・程度の軽い火の入れ具合を目指します。

 

牛蒡のコリコリした食感と、火が通った時の甘味、双方のバランスが良い仕上がりを目指す為です。

 

牛蒡を茹でている間に、蒟蒻をちぎります。

 

 

武内などは包丁の峰を使って、普通に切る・・かのごとく、ちぎる仕事が好きですが、コップや湯のみを利用するなり、スプーンを使うなり、やり易い方法でちぎって下さい。

 

形は牛蒡の大きさに合わせて、やや長め。

 

拍子切りの太め・・を目指すと盛り付けの時に形が揃って綺麗です。

 

この蒟蒻は、牛蒡の茹で上がりに茹で湯に放り込み茹でこぼしをすると能率が良いです。

 

 

椎茸は乾燥椎茸を戻しておきましょう。

 

大きければ縦に3~4個に切り付けて、小さければ半分で、これも牛蒡・蒟蒻と形を揃えて置くのが、料理の基本です。

 

さて、三点ご用意できましたら、胡麻油で炒めます。

 

蒟蒻は強く炒めて、他のものは油を吸わせる程度が良いので、我々が、こういう仕事をする時は一品ずつ適度に炒めるのですが、ご家庭なら一気に全てを炒めても、さほど仕上がりには影響しません。

 

炒めた鍋に、そのまま出汁を加えます。

 

素材の半分~2/3量で構いません。

 

椎茸の戻し汁がある時は、それを使ってもバッチリの

味わいになります。

 

そして、調味料。

 

酒、砂糖、濃口醤油を加えます。

 

感覚的には、薄めのキンピラを仕立てる様なイメージで

調味料を加えて下さい。

 

酒:醤油:砂糖 が、1:1:0.5、そんなイメージです。

 

その出汁が無くなるまで煎り付けながら、煮ます。

 

殆ど、出汁が無くなってきたところで煮汁の味を見て、

最後の調整をして下さい。

 

しっかりと中まで味を入れる煮物ではありません。

 

周囲に絡みつく煮汁で食べる、一回冷まして煮汁の味が

軽く乗ってきたところで食べる、そんなタイミングを掴んで

仕上げます。

 

お好みで、最後に七味を振ったり、煎り胡麻を散らすのも

味わいの良い仕上げ方です。

 

武内が仕事で、こういう煮物を仕立てる時は茹で玉子の

黄身を裏漉して天盛に使ったりしましたが、ご家庭では必要なし。

 

見てくれよりも、味わい重視の仕上げ方を目指して下さい。

 

また、乾燥椎茸を使うのも味わいが深くて美味しいのですが、

エリンギを粗く割いて使うのも、なかなかの味わいです。

 

もちろん、松茸なら最高ですが (笑