料理人へ贈る言葉

旨い料理を造る、実はそう難しい事ではないのかもしれません。

 

本当に一点集中で、瞬発力をフルに発揮して、その一品だけを最高のレベルにする。

 

料理人であれば、誰しも勉強してきた「旨い料理を造る」と言うノウハウを総動員すれば、誰もが上には上があると言う一品を作る事が出来るのではと感じます。

 

ですが、或る店の或る一品、それも評価の高い人気の一品となると

その一品よりも旨いとか、不味いと言うのは次元の低い問題です。

 

武内の若い頃、ある師匠の言葉にその真理を突いた一言があります。

 

「料理人の仕事は経営者を儲けさせる事だ」

 

極端な言葉ですが、この一言が未だに胸に突き刺さっています。

 

 

儲けを出させる為に、料理人がすべき事とは最低限で言っても・・

 

 

旨い料理を造り、採算を考えて、食べる人が素直に美味しいと感じる

仕立て方で、接客する者がシンプルかつ魅力的に説明できる情報を出せて、 

 

しかも常にその品質を一定に保ち、そして永く維持する事。 

 

つまりは瞬発的に、旨い料理を造ると言う程度なら誰しもが出来るけれど、料理人が本当に考えなくてはいけない事と比べれば、ほんの些細な事、 

 

僅かな一部分でしかないと言うことです。

 

 

 

若い頃に師事した師匠の中には、部屋のしつらいや調度品の選択、照明や接客担当の服装にまで言及する方がいらっしゃいました。 

 

逆に一流のホテルの和食店の調理長と言っても、企画担当の決めた事を文句言いつつ、出来るだけシンプルに・・と言えば、言葉は良いですが、してはいけない手抜き仕事で組み立てる人もいて。 

 

実に嘆かわしい事ですが、過去から現在まで料理人は

 

「旨い料理を造る勉強」と言う、 

 

一見、言葉は良いですが低い理想の中にいる者が殆どです。 

 

でも、言葉は決して綺麗ではありませんが、 

 

「経営者を儲けさせる事」を目指した途端、そのクオリティは格段に

上がります。

 

料理の道を歩む人たちへ、ぜひ贈りたい言葉です。