銀餡のお話

和食の料理で、蒸し物や煮物に色合いの薄い、葛でとろみをかけた

餡が掛かっている事があります。

 

この色合いの薄い餡を「銀餡」と言います。

 

対して、色合いの濃い餡、醤油色の餡を「ベッコウ餡」と呼びます。

 

銀餡の味付けには、何種類かありますが、その代表的なものは

二種類です。

 

ひとつは、吸い物の味を味醂と淡口醤油で強めて塩味主体に調味した出汁にとろみをかけた物。 

 

そしてもうひとつは、味醂と淡口醤油を、ほぼ同じ割合で出汁に加え

甘味と塩分の両味と言われる味わいに仕上げた物です。

 

 

前者の吸い物の味を強めた銀餡は、シンプルな味わいに仕上がりますから素材の味を引き立て、むしろ素材中心の一品に非常に良く合います。 

 

後者の両味の銀餡は、味わいとしての完成度が高いですから優しい風味、特徴の柔らかい素材には良く合います。 

 

蕎麦ツユの様な味わいに合う一品・・・例えば天ぷらやトロロ、温泉卵や鴨肉と葱の鴨南蛮、ナメコや大根おろし・・・などを想像して頂けると

分かりやすいと思います。 

 

仕立て方としては、吸い物の味を強める・・・と言うのは、分かりやすく

やるとすれば、吸い物の味付けをした出汁に味醂と淡口醤油を足して一口飲んで美味しいけれど、飲み続けるにはしんどい・・・程度の

味の強さにして、追い鰹をしたら漉してとろみをかけると言うやり方です。

 

 

分量的には、出汁を500ccに対して、塩を4g程度、酒を15cc、淡口醤油が

5ccほど入れるのが、吸い物の味付けですから、そこへ更に味醂を10cc、

淡口醤油を15ccほど足してもらったら良いと思います。

 

 

対して両味の餡は、味醂を75ccほど煮切ってもらって、出汁を500cc、

淡口醤油をやはり75ccほど加えて、煮立てたら追い鰹をしてとろみをかける。

 

 

細かい分量を出して、その通りに作る、いちいち計りを持ち出して、

繊細に化学実験の如くに料理を仕立てるのは、全くオススメ出来ないのですが、

入る調味料の感覚を全体的な数字で把握して、おぼろげながらの感覚を持ち、

 

 

最後は舌による感覚を大事に、仕立てて頂ければ、それが1番正しいと

武内は考えています。

 

 

昨日は豆腐を水切りして、海老の粗叩きと下煮した野菜を加え揚げ物に

仕立てて餡を掛けると言う一品でしたが、実は水切りしただけの豆腐を

揚げて、しっかり仕立てた銀餡を掛けるだけでも、レベルの高い一品が

出来上がります。

 

 

本日は銀餡についての補講も兼ねてお伝えいたしました。