春の変わり蕎麦がき

蕎麦がき自体が、秋の新そばの時季に紹介するような一品なので、

春の・・と言う冠詞を付けるのが、何だか不自然にも思えますが、 

 

今の時代の蕎麦粉は、年間を通して著しく味わいが落ちると言う

感覚はありません。

 

保存状態も良いですし、品種の改良も進んでほんの一時だった蕎麦の収穫期も、徐々に広がりを見せています。 

 

南半球産の蕎麦粉の輸入もありますし、さらには熟成と言う観念も

出てきまして、新蕎麦の時季だけが蕎麦の旨い時・・・と言う感覚は

大幅に薄れてきた様に感じます。 

 

蕎麦粉については、ほどほどにしまして今回ご紹介するの蕎麦がきは蕎麦がきを練るときに、魚介の叩いた身を混ぜ込む手法です。

 

 

 

例えば、海老や白身魚、貝類などを粗く・または細かく包丁で叩いて

蕎麦がきを練るときに一緒に加えます。

 

その蕎麦がきを、小判型や団子にまとめて、昆布出汁や鰹の一番出汁で火を通す。

 

そう言う仕立てをすると、蕎麦粉の良し悪しもさることながら、季節の

魚の味わいを蕎麦の香りと共に幅広く、年間を通じて多様な楽しみ方が出来ます。

 

 

たとえば、今の時季でしたら桜鯛の中骨から身をかきとって、

ぽんぽんと粗く叩いたら、蕎麦粉を3に対してお湯を4ぐらいの割合で加えさっくりと混ざった所で鯛の叩いた身を加えだまが出来ないように練り上げます。

 

 

 

この練り上げた蕎麦がきを、小さな小判型にでもまとめて一番出汁に酒と塩、淡口醤油の吸い物よりやや濃い目の出汁で火を通します。

 

そのまま汁ごと、お椀に蕎麦がきを積み上げて少なめに出汁を張り

汁も飲める肴にするもよし。

 

 

火を通した出汁は置いといて、大根おろしに醤油と言うちょっと濃い目の味付けで楽しむのも、蕎麦粉・鯛の旨味がしっかりと受け止めてくれます。

 

鯛以外でも、海老、イカ、ハマグリや帆立に・・ちいさな小柱をそのまま使うのもアリかもしれません。

 

 

 

 

春の変わり蕎麦がき・・・気軽に楽しめる季節感のある一品と思いますが、

いかがでしょう。

 

何かの機会には、ぜひお試し下さい。