蕗の葉の辛煮

蕗の葉と言うと、捨てられる事も多いかと思いますが、

こういう部分を、一品にする和食のノウハウには、本当に

頭が下がる想いです。

 

しかも、こういう一品が、しみじみ旨く感じられる。

 

美味しく調理するための知恵を残してくれた、先人達の

努力にも感謝ですね。

 

さぁ、さっそく作ってみましょう。

 

まずは、蕗の葉を細かく刻みます。

 

細く・細く、繊切りにします。

 

 

 

そして、繊切りにしたら、塩で揉みます。

 

 

えぐみの強い青汁がたっぷり出ますから、それを捨てて

軽く洗ったら、湯通しします。

 

 

沸騰している湯に落とし、ざっとかき混ぜたらすぐに

ザルに揚げます。

 

 

そのまま冷水に落とし、しっかりと塩が抜けるまで晒して

しまいます。

 

 

この時でも、まだまだえぐみは残っています。

 

 

でも、何回も書いてますが、えぐみを全て取り去ってしまうと、

素材の味わいも味気ないものになってしまいます。

 

 

この辺が、微妙な匙加減なんですが、何回も挑戦なさって

ご自分の好みに合った、匙加減を見極めていけたら、こういう

料理は楽しくなります。

 

 

 さて、水に晒した蕗の葉っぱは、そのまま水に漬けたまま

一晩寝かせます。

 

 

水を替えながら、何日か寝かす事もありますが、1晩置けば

充分の様な気がします。

  

 

そして、充分にえぐみが抜けたと思ったら、硬く絞ります。

 

 

水分を全て出し尽くすぐらいに、きつくきつく絞って下さい。

  

 

そして、鍋に胡麻油を引いて、油炒りです。

 

 

炒める・と言うよりは油をじっくりと吸わせる気持ちで、じっくりと

煎り漬けて下さい。

 

 

気長にじんわりと油炒りしたら酒と醤油を加えます。

 

 

この時にジャコを一緒に加えると、味わいがぐっと良くなります。

 

好みで味醂や砂糖を使う方もいらっしゃいますが、武内は

全く甘味は加えません。

 

 

こういう田舎っぽい仕立て方の料理には、素朴な味わいが

ピッタリ来ます。

 

 

そして甘味は加えませんが、梅干の種を何個か加えておくのです。

 

 

塩だけで漬けた古漬けの梅干があれば、最高です。

 

 

坐唯杏でも、梅は漬けますが、残念ながら干すまでは至りません。

 

 

土用干しして、甕に戻すなんて事をしたら、本当に素朴な

味わいの良い梅干が出来るんですが、やはり池袋のど真ん中では

厳しい状況です。

 

 

また、この梅干にも甘味が加えてあるのが、最近の主流ですし、

低塩分で漬けてあるものが、殆どですが、やはり20%ぐらいの強い

塩で漬けて、常温でもびくともしない梅干が理想です。

 

 

そんな梅干・・・もったいないから、種だけでOKですが、

さっと洗って、塩分を優しくしたら、酒と醤油を加える時に一緒に

加えます。

 

 

 

古漬けの梅干から出てくる酸味で、味わいに深みが出ます。

 

 

醤油と梅の酸味でじっくりとに煮含ませたいところですが、ぐずぐず

してはいられません。

 

 

じっくりと炊くと、蕗の葉に火が入りすぎて、ぐみぐみの食感に

なってしまいます。

 

 

火は通っているけど、芯には葉っぱの繊維質の歯応えが残る、

そんな仕上がりが理想です。

 

  

酒と醤油を加えすぎると、蕗の葉からも水分が出ますので

煮汁が多くなり過ぎる傾向があります。

 

 

ぜひ、この辺の行程では、調味料は少なめに抑えてお使い下さい。

 

 

それでも、多かった・・なんて言う時は、鍋の中で火の入り具合を

調節します。

  

蕗の葉を鍋の横に寄せて、煮汁だけを煮詰めます。

 

 

その間に、たまに蕗の葉にも煮汁を絡ませて、味を乗せていくのです。

 

 

そんなケアをしてやると、歯応えも失われずに、綺麗に仕上がります。

 

 

以前居たスタッフにも教えましたが、大体の人間は最初の

一回目は失敗します。

 

 

武内と同じ年ぐらいの、ベテランでさえ煮溶けた様な蕗の葉の辛煮に

して、全部賄に落とした事もありました。

 

 

この煮加減が、この料理のポイントです。

 

 

と言う事で、こんな煮方で煮汁をすべて飛ばすぐらいに煮詰めたら

完成です。

 

 

最後に煎り胡麻を振ったり、一味や七味を振ったりするのは、

お好みで。

 

 

煮上がった、辛煮から梅干の種を取り出し、口に入れます。

 

 

もう、それだけでお酒が欲しくなるから、ご注意下さい (笑