まな板のお話

和食の料理人に限らず、使っているまな板を見れば、その職場や

職人の腕前や、感性がほぼ分かります。

 

やはり駆け出しの未熟な者の使うまな板は、メンテナンスが出来て

いませんし、その使い方で腕の良し悪しが露骨に出ます。

 

武内が刺身場を退いて、若い者に任す様になってから、急速に

まな板の状態が悪くなりました。

 

それでも、メンテナンスが習慣になっている者だと、さほど悪くなる

度合いが低いのですが、使い方も悪い・メンテナンスも出来ないと

なると、まな板は悪くなる一方です。

 

まな板の状態が悪いと言うのは、第一に平面でないと言う事です。

 

包丁と真っ直ぐに沿わないまな板は、正直使えません。

 

包丁の研ぎ方も関係しますが、包丁とまな板はセットで、しっくりと

沿う様に常にメンテナンスする事が非常に大切です。

 

 

 

でも、その使い方でメンテナンスが常に必要になるか、それとも

頻繁なメンテナンスが不要かが決まります。

 

つまり、まな板の減る部分を使い方で調節し、大きな凹みを作ったり、

いつも決まった所を使い極端に一部分だけを減らさない使い方が

出来るかです。

 

我々の仕事の中には、硬い骨を大きな出刃で思い切り叩いたり、

穴子の様な魚なら、決まった所に目打ちを打ちますから、サイズが

似通っていたら、常に同じ場所を力を入れ無ければいけない仕事も

あります。

 

とは言え、普段包丁を使わない場所を使って大きなアラを叩いたり、

切れる包丁で軽やかに使う事で、まな板の減りと言うのは全然違います。

 

もちろん、それでもメンテナンスは必要なのですが、必要な頻度が

格段に変わり、平面を維持するのが楽なのです。

 

とは言え、駆け出しの頃だと、その意識すら芽生えないうちに、

まな板の前に立つことになったりで、

 

きちんと、その作法までを教えてくれることが少ないとも感じます。

 

ご自宅のまな板、ちょっと見てください。

 

いつも・いつも同じ所を使っていませんか。

 

その部分だけが大きく傷ついて、包丁が真っ直ぐに沿わなくなって

いませんか。

 

そういう状態で包丁を使うと、変な癖がついたり、変に力が入って

包丁を使う事すら危険な時もあります。

 

今の時代、まな板に鉋を掛ける事も少なくなりましたが、ぜひ!こんな

事にも注意してみて下さい。