
干し海老を使った炊き込みご飯「干海老飯」は、普通の炊き込み
ご飯と少しだけ変わった炊き方をします。
生の海老を使って海老飯を仕立てる時は、出汁だけで炊き込み
ご飯を炊いておいて、蒸らす時に油で煎り付けた海老を加えて、
熱を通し、ご飯に味わいを移す手法を使います。
干し海老の場合は、最初から加えてじっくりと火を通してしまうのも
もちろん使われる手法ですが、武内が習った炊き方は、戻す時間を
たっぷりと取って、炊き込む時間を短めにするレシピでした。
干し海老と言えども、火の通し過ぎは縮んでしまい、食感を悪くする・・ そんな考え方です。

使用する干し海老の質にもよりますが、お好み焼きや、街の蕎麦屋で
使っている赤く染めた安価な桜海老ではなく、国産のふっくらと干し上げた素干しの海老を使います。
まずは炊込みご飯を炊く前日から、合わせたタレに漬けこんで
干し海老を戻します。
大体、酒が6、醤油を3.5、そして0.5の酢を加えて漬けダレを
仕込み、炊き込むご飯の量の3割ほどの干し海老を漬け込みます。
炊き込みご飯を炊く時は、鰹出汁で仕立てた醤油味の出汁で
何も加えずに出汁だけで炊き込みご飯を炊き始めて、炊き上がる
寸前に戻した干し海老を、水分を切って加えます。

あとは普通に炊いて、蒸らすだけ。
フワッと熱が入り、ふっくらと炊き仕上がった干し海老と出汁の香り、
干し海老の旨味が移った炊き込みご飯が、これで完成です。
あとは、炊き立てをお茶碗に盛り付けて、切り胡麻を掛けたり、
三つ葉の微塵、芹の微塵などを載せれば120点。
枯淡の一番星と言う味わいが楽しめます。
上等な干し海老は、手に入れるのが少し難しいかもしれませんが、
注意してみていると、案外スーパーの乾物売り場でも見かける事が
あります。
ぜひ、お試し頂きたい昔ながらのご飯です。
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