芹雑炊

芹雑炊と言う事ですが、我々はこういう一品でも鰹出汁に加えて魚の生出汁を使います。 

 

「生出汁」と言う言い方は、聞き慣れないと思いますが、鰹節で引いた出汁、それも何も加えていない味の付いていない鰹出汁を「白出汁(しらだし)」と呼び、 

 

対して、魚の中骨や頭など塩を当てて湯通しし、昆布と酒を加えてじっくりと弱火で煮出した出汁を「生出汁(なまだし)」と言います。 

 

芹雑炊の場合は、この生出汁と白出汁を割って使うのが味わいの良い手法です。

 

とは言え、ご家庭では魚の中骨や頭などが使いたい時に、すんなりと出て来るわけではありませんし、 

 

鰹出汁(白出汁)でさえ、旨味調味料で補っている事が殆どだと思います。 

 

そう言う時は白身魚の切り身を、例えば「チリ蒸し」などに仕上げた時に出る蒸し汁を使う事をオススメします。

 

 

白身魚の切り身を湯通しして、昆布を敷き酒と塩を振りかけ器に入れて蒸します。

 

 

その時にラップや蓋などをせずに、蒸しますと器の中に濃厚な旨味の汁が溜まります。

 

 その汁を急激に冷まして、冷凍にしておくのです。

 

徐々に冷ますと生臭さが出ると言われていますから、ボールなどに入れた蒸し汁を、氷水に浮かべてかき混ぜてやると短時間で温度が下がります。 

 

温度が下がった時点で、冷凍庫用の容器に入れて冷凍します。

 

その出汁のアイスキューブをお湯に加えて旨味調味料を加える。

 

そんな事でも、普段は味わえない絶妙な旨味が楽しめます。

 

出汁のお話がメインになってしまいましたが、芹雑炊に限らず和食の仕立て方は出汁の取り方で、完成度の大部分が決まります。

 

 

ここで手を掛けるか、否かが和食の原点とも言えます。

 

さて、出汁に酒と僅かな味醂、塩と淡口醤油で吸物よりもしつこい味を決めたら、洗ったご飯を加えます。

 

この時の味付けは、思った以上に強い味です。

 

少しだけ思い切って、味を付けた方が仕上がりは良いです。

 

そこへ、一粒一粒がパラパラになる位に粘り気を洗った飯を加えてひと煮立ちした所へ、今度は芹を加えます。

 

芹は茹でて微塵に刻むのが食べやすく風味もあがります。 

 

 

 

 

芹を加えたら、すかさず溶き卵を流し入れ、好みにもよりますが半熟に熱を入れて調理は完了です。

 

 

我々の仕事で、こういう一品を仕立てた時は椀に盛り付けて白魚の茹でた物や、釜揚げにしたものを天に留めますが、ご家庭ならシラスなどを、ちょこっと乗せると景色も味わいもワンランク上がります。

 

 

ぜひぜひ!これからの時季、

 

摘み立ての芹など手に入りましたら、お試しください。