好き嫌い

先日の土曜料理教室では豆ごはんをお伝えしました。

 

後輩でグリーンピースが苦手な男がいまして、一粒ずつよけて、

豆ご飯を食べる姿が情けないのを思い出しましたが・・

 

その男、そう言えば椎茸も苦手で、面白がった後輩が

乾燥椎茸の戻し汁を麦茶に似せて出して、吹きだしてたのも

今となっては、笑い話です。

 

さて、そんな思い出がある出来事ですが、料理人でありながら

好き嫌いがある・・と言うのは、やはり致命的な事でもあります。

 

それはもちろん、一つの食材において良い部分が見えない事が

とても、損な事であります。

 

素材には必ず、良い所があります。

 

その良い部分を生かすのが、我々料理人の仕事です。

 

手垢が付いた様な、こてこてに弄繰り回した料理からは、自然の味わい、素材そのものが持つ味わいが消えます。

 

逆に素材の持つ良さをかき消す事で、その素材を味わえる様に

変える仕事を、嫌いな食材には施してしまう事になる。

 

それは、やはり致命的なセンスとなるのです。

 

だから、料理人である以上は、出来る事なら全ての食材の

良い所を知り尽くし、良いものを良いと感じる心と、知識を持つのが

使命となります。

 

 

殆どの料理人は、自分の好きな食材を好きな様に調理して

好きな仕様でお客様にお出しする・・と言う事は出来ません。

 

 

好き嫌いの話からは矛盾していますが、大抵の場合は店の方針や

親方の趣味に合わせて仕立て方を学び、その仕立て方を忠実に

守るのが仕事です。

 

でも、料理人の良し悪しは、その忠実な仕事の中にも素材への

気配りや、自分なりの工夫、一歩先を行く何かしらの努力で、

決まります。

 

だからこそ、素材への愛情は、最も大切な料理人の条件となる。

 

好き嫌いと言う、一見・・他愛もない好みの様にも思われますが、

その好みにこそ、愛情の種があります。

 

かく言う武内も子供の頃には、蕗や膾(なます)など嫌いな物が

ありました。

 

でも、美味しい料理に出合ったおかげで克服できたと言う経緯も

あります。

 

 

そういう意味では、優れた料理人や、良い職場との出会い。

 

愛情を持った生産者との出会いなど、人生を変える力、職人の

仕事を変える力があるのではと思います。

 

好き嫌い、その結論は出会いへの感謝です。

 

多くの出会いをこれからも、積極的に求めていこうと思います。