冬のお椀・焼物の椀種

寒い時期には、やはり熱々の汁物が恋しくなります。

 

さて、これから晩酌と言う時に1杯の汁物が、舌の感覚を

呼び覚まし、食べる事・呑む事への意欲を高めてくれる。

 

会席料理のお椀と同じ役割で、最初の汁物をお使い頂くと

毎晩の晩酌が、より充実した時間になる事でしょう。

 

本日は、冬の汁物のひとつ、焼物を汁に仕立てる手法を

ご紹介しましょう。

冬場の魚には、身の中に脂分を豊富に含んだ魚が多いです。

 

 

こう言う魚、例えばハタ類や油鰈、ムツなどの魚を切り身にして

薄い塩を当たっておきまして、焼物に仕上げます。

 

焼き上がった切り身をお椀に据えて、熱々の鰹出汁の吸物汁を

注ぐと言う手法があります。

 

出汁を張った直後は、鰹出汁の味わいが楽しめますが、徐々に

魚の切り身から旨味が滲出しまして、濃厚な味わい・豊富な旨味が

堪能できるお椀です。

 

最初と最後で違う味わいが楽しめると言う点では、時間の経過自体も

味付けの一部と言う、風流なお椀であります。

 

 

 

会席料理のお椀と言うと、その店の仕事や素材の格、その店の

料理への方針や方向性を示唆して、さらに食欲を高め、舌を清める。

 

 

そんな、役割を持っていますが、夏場は塩味を主体にあっさりとした

塩気の味に調えます。

 

 

対して、冬場のお椀では淡口醤油を多めに使い、こっくりした

深みのある塩気を目指すのが基本とされています。

 

そんな基本を踏まえつつ、さらに椀種で旨味とコクを加味する。

 

この手法を、ご家庭でも使ってみてはいかがでしょう。

 

 

 

例えば鶏肉を薄い塩で焼いておいて、吸物汁を注ぐ。

 

他には、一般的な素材、例えば鯵やホッケの様な魚で仕立てるのです。

 

 

もちろん、そのままの吸物味に仕立てると青魚には、調和が難しい。

 

そこで淡口醤油仕立てとします。

 

淡口醤油9~10割、塩を1~0割と言うバランスで吸物の味に

仕立てた汁を注ぐと、醤油の風味と青魚の味わいが調和します。

 

 塩と濃口醤油を1:1ぐらいのバランスで使っても醤油味の強い

吸物汁が出来上がります。

 

 

鶏肉や豚肉、牛肉に季節の魚をさっと炙ってこう言う仕立ての

吸物に仕上げて、晩酌の最初に味わってみると、その日の全体の

料理・酒の印象が確実に変わります。

 

 

会席料理の手法には、多くのヒントがあります。

 

 

ぜひ!お試しください。