鶏の飛龍頭(ひろうす)

ガンモと言うと安っぽく感じますが「飛龍頭」・・・「ひろうす」と書くと

高級感があります。

 

由来はポルトガル伝来の菓子「フィロウス」から転じたとの事。

 

知らないと、なかなか読めない漢字です。

 

 

さて、樂旬堂・坐唯杏では、かなり昔から取り組んでいる品でして、

以前は牛の内臓肉を使った「モツの飛龍頭」と言う一品がありました。

 

 

日経レストランのメニューグランプリでは入選した品です。

 

 

 

基本は、水気を絞った豆腐に具材を混ぜて油で揚げる・・と言う事ですが、これが豆腐だけだと、なかなかきれいに固まってくれない一品です。

 

だから、豆腐屋さんのガンモは、案外難しい一品でもあります。

 

その難しい点を、簡単にしたのが、この鶏の飛龍頭です。

 

 

固まりにくい難点を、鶏の挽肉を混ぜる事で解消します。

 

まずは混ぜる具材をご用意ください。

 

人参、木耳、筍や絹さやなどなど、季節感もあり、色目もある、そして

食感に特徴のある野菜を選ぶのが基本です。

 

 

 

とは言え、和食の世界では海老や穴子、帆立や肉の柔らか煮を

使う事もあります。

 

 

以前、ご紹介した煮豚などを使うとメインの一品になります。

 

 

さて、具材は繊切にして薄い煮汁、吸物の味を味醂と淡口で

強めた味で火を通して、そのまま笊に上げます。

 

 

きっちりと水気を切っておきましょう。

 

そして鶏挽肉を擂鉢で丹念に摺ります。

 

そこへ、一回火を入れて重石をして、きっちりと水気を切った豆腐を

加えます。

 

先日、ご紹介したフードプロセッサーを使ってペースト状にすると

扱いやすいですが、粗くほぐしてすりこ木で丁寧に潰し挽肉と

混ぜ合わせても大丈夫です。

 

豆腐屋さんのガンモなら、味付けはしませんが薄味で下味を

入れておくのが、料理屋仕事です。

 

塩、淡口醤油、味醂で仄かな味わいを付けておいて下さい。

 

 

 

 

とは言え、あくまでも下味7分。

 

下味の入れ過ぎは、素材の味わいを消してしまいます。

 

 

そこへ卵と片栗粉を繋ぎに加え、熱した油に落とします。

 

油を塗ったスプーンで掬いとって、そのまま落としても良いですが、

料理屋風の仕事なら、円盤型や小判型にまとめて、オーブンシートに

並べて蒸すと言う方法も、よく使う手法です。

 

 加熱する時に、ごちゃごちゃ・・いじらないで済むので形がまとまり

やすいのがメリットです。

 

<画像は甘味・リンゴの飛龍頭>

そして、最後に油で揚げる。

 

その揚げたてを生姜醤油や、天つゆで召し上がれば実に「和」の

味わい、普段の食事では味わえない様な料理屋の仕事を実感

出来ると思います。

 

 

オーブンシートに並べる時に、料理屋の仕事なら耐熱のラップに

茶巾に包んで蒸したりもします。

 

蒸す以外でも、静かに茹でても固まりますし、蒸す工程を省略して、

いきなり油で揚げて、成型をざっくりとした形に仕上げても、むしろ

味わいがある。

 

 

楽しい一品になると思います。

 

 

豆腐を絞って、擂鉢で摺ってと、なかなか手がかかる様に思われますが、

食べる頃には、その手間も味わいに加わります。

 

 

ぜひぜひ! お試しください。