鯵のつみれ

武内の修行時代の社長が、ある相撲部屋の後援会長をしていた関係もあり、修行時代には、相撲部屋出身の方と仕事をしたり、ちゃんこの事を習ったりする機会がありました。

 

 

その時です、「鯵のつみれ」の味わいには、大いに感動しました。

 

 

薬味を利かせて、他の食材も加え、食感・味わいともに完成された

一品です。

 

 

まずは鯵を三枚に卸して骨を全て取り去り、皮を引いて包丁で細かく叩きます。

 

 

 

スーパーなどに行くと、皮を引いて刺身用になった鯵を売っていますから、それを買ってくるのが早いですが、腕に自信のある方はぜひ!

 

 

三枚卸しから挑戦して下さい。

 

 

つみれに仕上げるので、刺身用の卸し方とは違って身が多少崩れて

いても遜色ありません。

 

 

こういう料理の時に練習するのが効率の良い方法です。

 

 

叩いてミンチ状にするのですが、店の営業用にはミンチの機械を使っていましたが、細かいミンチで二度挽きしていました。

 

 

 

ですが、ミンチの機械にかけてしまうよりも、丹念に包丁で叩いた方が絶対に美味しく仕上がります。

  

と言うのは均一にならないから。

  

不揃いの美味、舌の感じ方が不揃いな方が敏感になります。

 

 

坐唯杏で提供する鴨のつみれでも、粗挽きと細挽きを混ぜて

使っていますが、発想は同じです。

 

 

細かなミンチの食感の中に、粗挽きのぶつぶつした食感が入ると、

より味わいを感じます。

 

 

 

以前より、何回か書いていますが、食材の繊維は細かくすればするほど、

味わいが希薄になるという原則があります。

 

 

料亭の見立て仕事で、すり身を何かに見立てて細かな細工をする料理が

ありますが、そういう仕事ほど、素材の味からは離れていくのです。

 

 

肉でも魚でも、野菜でも、大きな繊維をそのままにして、食べる時に食べやすい

大きさにする事や、包丁をいれずに千切ったり、割いたりする事で、より味わいが

増す。

 

 

 

だから、鯵のつみれと言えども、本来なら細かく叩く物と粗く叩いた物を混ぜると

余計に味わいを感じる事が出来ますし、旨味も豊富に感じるわけです。

 

 

とは言え、余り粗くし過ぎても結着力が弱くなりますから、限度があります。

 

 

そこで登場するのが烏賊(イカ)のゲソと鶏の挽肉です。

 

烏賊のゲソと鶏の挽肉を鯵の1~3割量加えます。

 

 

ゲソを粗く叩いておいて、混ぜる事で、鯵の粗叩きを加える時よりも

格段と食感を良くします。

 

鶏のミンチを加える事で、結着力を高めます。

 

 

そしてもちろん、それぞれの味が加わる事で、旨味の相乗効果が起こり

より、旨味を感じると言う事です。

 

 

そして、この三種のミンチの中に、葱、生姜の微塵切りと味噌を加えて

良く混ぜます。

 

 

繋ぎに片栗粉少々を加えても良いでしょう。

 

 

味噌が加わると塩分ですから、たんぱく質が凝固を始めて、一気に

粘りが出てきます。

 

だから混ぜると言うよりも、練ると言う表現が近いかもしれません。

 

 

これで下準備は完了。

 

 

あとは、昆布出汁を沸かしておいて、団子にした鯵つみれを放り込み

サッと火を通してから、ポン酢醤油などで召し上がって頂ければ、

シンプルながら、その仕立て方以上の感動を味わって頂けますし、

 

 

鍋に仕立てても、汁に仕立てても絶品の出汁・旨味が味わえるのです。

 

 

 

・・・とはいえ、けっこう手間が掛かります。

 

 

おそらく手を掛けたと言う達成感や充実感も味わいに加わります (笑

 

 

 

と言う事で、本日は鯵のつみれをお伝えしました。

 

 

 

鯵のつみれ・・なんて言うと、安く見られてしまうかも知れませんが、

作られたら分かりますが、本当に感動するぐらい、美味しいです。