幽庵焼

古くからの日本料理の手法にある「幽庵焼」。

 

幽庵焼と言うと、酒・味醂・醤油できっちりと漬けこみ、締まった

身の食感と、しっかりした調味料の味わいが身上です。

 

 

幽庵焼に、柚子を利かせたら「柚庵焼(ゆうあんやき)」と読みは

同じですが、違う料理となります。

 

 

この幽庵焼と言う名前は・・その昔、茶人の方が考案し、その庵の

名前からの命名・・との、説が有力です。

 

素材的には鰤や鰆、真鯛などが良く使われる魚ですが、例えば

鶏肉などにも応用できる手法です。

 

 

さて、まずは魚の切り身に薄い塩を当たります。

 

この塩は省略される事もありますが、薄い塩を利かせる事によって

素材の水分が排出されます。

 

その排出されたスペースに調味液が入っていく。

 

そんなイメージで、捉えて頂けると分かりやすいと思います。

 

 

この薄塩は、完成後には、ほぼ感じなくなりますが底味に僅かに

残るので、きちんとした味わいを目指すなら、このひと手間は

欠かせません。

 

 

 

薄塩を当てて少ない時で1~2時間、多い時は一晩程度寝かします。

 

 

その後、幽庵地と呼ばれる調味液に漬けます。

 

多くの場合は、三同割と言われる割合、酒・味醂・醤油を全て

1:1:1で合わせて、ひと煮立ちさせた調味液を冷まし、漬け込みます。

 

味わいの濃厚な液ですから、時間にして2~3時間を目安に漬ける

職人が多いです。

 

 とは言え、保存性を考えたらきちんと中心まで調味液を浸透させる

方が安心ですから、一晩じっくりと漬けてしまう場合もあります。

 

 

ただし、そう言う時には醤油の割合を減らして、1:1:0.7程度に

抑えておくと、味の強さが気になりません。

 

 

最近では、もっと風味を付けて優しい漬かり具合に仕上げる

味噌幽庵と言う手法も、和食の世界ではポピュラーな手法と

なっています。

 

 

そしてこの幽庵地に、柚子のスライスを浮かべて置けば、

「柚庵焼」に変身と言う事です。

 

 

スーパーの鮮魚売り場でも、ブリの切り身などはよく見かける

食材ですし、鶏肉も多少固くなりますがブロイラーの柔らかい

肉質の物なら、さほど気にならずお召し上がり頂けると思います。

 

 

お好みの時間に漬けこんだ幽庵焼。

 

 

ご自宅の魚焼のグリルでは、焦げやすいので火を弱くして

焼き上げて下さい。

 

 

 

 

 


よく、当サイトでも出てくる言葉、「幽庵焼」について解説させて

頂きましょう。

 

 

幽庵焼は江戸時代の茶人、北村祐庵が創案したところから

この名前があると言われています。

 

 

本来は酒、味醂、醤油に加えて柚子の輪切りを加えて、柑橘の

香りが効いたタレに漬け込んでから焼くのが決まりでした。

 

でも、今は少し解釈が違うようです。

 

柚子を加えた時には「柚庵焼」と呼び、酒、味醂、醤油のタレの事は

「幽庵地」と呼ぶのが一般的な、言い方に変わってきました。

 

 

幽庵地の基本的な割合は、全て同割、つまり1:1:1で合わせて漬け込みます。

 

 

丁寧に作る時は、1回、火を入れてから漬け込みますが、

仕上がりには、生合わせ・・・つまり火を入れない合せ方の方が

アルコールの成分や酒や味醂の揮発成分が残って、華やかな

感じがする様に思えます。

 

 

火を入れた時には、しっとりと落ち着いた味わい、優しい風味に感じますから

後は好みと、素材に合わせたレシピを採用すれば、どちらが正しいと

言う事も無いような気がします。

 

 

 

また、全て同割の事を三同割と言いますが、けっこうしっかりした

味わいに仕上がるので、醤油だけを少し減らして、1:1:0.7程度で

一昼夜ほどの長い時間、漬け込む手法もあります。

 

 

坐唯杏では燻製の下味には、この手法を用いています。

 

 

やや薄めのタレで長時間漬けるのと、しっかりした濃い目のタレに

数時間漬けるのとでは、やはり仕上がりには差が出ます。

 

 

あとは料理人の好みと言う事になってしまいますが・・いずれにせよ、

柚子の風味が効いた、アマダイや鰆などは、酒の肴には絶好の焼物です。

 

 

案外、簡単に作れてしまいます。

 

 

ぜひ、こんな手法もお試し下さい。

 

レパートリーが広がって良いと思います。