鍋奉行の心得

我々クラスの居酒屋では、なかなかお席に妙齢の仲居さんが

ついて、煮え具合や火加減、出汁の管理から、最後の〆の

場面までを完全にサポートするのが不可能です。

 

 

お一人、料理だけで1~2万円も出せば、そういう店は多いとは

思いますが、鍋1台・・¥2980、

 

 

この価格で、そういうやり方をすると人件費が出ません。

 

 

そう言う店で鍋を楽しむときに、必要なスキルが「鍋奉行」の

ノウハウです。

 

 

 

鍋の具材を、一瞬で判断して火の通りやすいもの、通りにくい物。

 

煮込んだ方が良いもの、さっと火を通した方が美味しいものを

判断して、鍋に投入し食べごろの合図を同席者にさりげなく

伝えていく。

 

 

途中、火加減や具材の移動、追加の具材や出汁の注文も

適時に対応する。

 

 

例えば、河豚の鍋などは、食べてもあまり美味しくない部分を

先に投入して、弱い火でじっくりと出汁に旨味を移しつつ、

白菜や葱の太い所に、しっかりと火を通し食べごろになる寸前で、

身の美味しい部分を投入し、煮えばなをさっと取り分ける。

 

 

葛切や春菊なども、この最後のタイミングに合わせるのが

美味しく食べる基本です。

 

 

そんな方法を使うと、出汁も充分美味しくなり、具材も美味しく

召し上がれます。

 

 

よく鍋奉行と言うと、アクの引き係り、、徹底的にアク代官、

奉行に徹する人がいますが、アク引きはほんの些細な仕事でしか

ありません。

 

 

この通信でも、良くお伝えしている通りアクに見えるものでも

旨味の成分だっかりします。

 

 

 

最初に出て来る大きなアクを掬ったら、あとは放置しておいても

大して、仕上がりの味わいには影響がない場合が多い。

 

 

むしろ、適時に火加減の管理や、煮え具合の判断を下す事。

 

 

これこそ、鍋奉行の仕事と言えます。

 

 

そして最後の〆に、旨味豊富な出汁を適量残して、具材を食べ切り

雑炊やうどんを最高の味わいで楽しむ事こそ、鍋奉行の本懐。

 

 

仲居さんが付いて、しっかりと鍋の管理をしてくれる所へ食べに

いったら、むしろ・・しゃしゃり出るのは失礼です。

 

 

 

そこはやはりプロに任せるのが正解であり、美味しいものが食べられる。

 

 

でも、店によってはお客様にお任せする所もあります。

 

樂旬堂・坐唯杏も、そんな店のひとつ。

 

 

そういう店の場合は、お客様も鍋の技術、知識をもってご注文下さるのが

正解だと思うのです。

 

 

鍋奉行の心得、いかがでしょうか。

 

 

店側からの発信としては、突き放した意見かもしれませんが、

現実問題として、係りの人間を付けて、そこの席に集中させるには

それなりの対価が必要です。

 

 

見合った提供方法と、見合った原価を考えないと商売とは言えません。

 

 

ぜひ!普段から料理のことに関心をお持ち頂いて、優れた鍋奉行を

目指して頂きたいと思います。