鶏豆腐鍋<長葱・下仁田葱を使って・・>

鶏豆腐鍋と言うと、葱が主役では無い様に感じますが、鶏の出汁と豆腐の食感、味わいがあればこそ、感じられる葱の味わいと言う物がります。


出汁は、やや濃いめで、濃口醤油味で仕立てます。


鰹の二番出汁、やや濃厚に煮出した昆布と鰹の出汁・・


この出汁に酒と味醂、醤油で味を調えます。



そうですね、割合としては・・

 

出汁:10

酒:0.5

味醂:0.5

濃口醤油:1

 

こんな割合で仕立てて、鶏肉を掃除して湯通ししたものを加え

じっくりと火にかけます。

 

 

途中、煮詰まる様でしたら適宜、出汁を加えて調整します。

 

脂が浮いてきますし、灰汁も出てきますがあまり気にしません。

 

最初に出て来る大きな灰汁は、殆どが雑味です。

 

 

この時だけは、綺麗に掬います。

 

途中出て来る、細かな灰汁は旨味の出た鶏の成分である事が

多いです。

 

我々なら、そんな灰汁の味も見つつ掬う、掬わないを判断しますが、

ほぼ残しておいて問題ない所です。

 

そして、葱を投入します。

 

先にご紹介した、本家本元の下仁田葱、正真正銘の下仁田葱なら、

じっくりと炊いて、存分に甘みを引き出して使いたい所ですが、

そうそう簡単には手に入りません。

 

 

近頃では、品種だけ下仁田葱を栽培している他の産地の

葱が八百屋の店先に並ぶ事も多くなってます。

 

そういう葱で仕立てる時は、一般の白ネギと同じ感覚でも

構いません。

 

お好きな煮え具合を目指して頂いたら、それでOKですが、

細い葱だと、短時間で腰が抜けてしまうので、その点は

ご注意ください。

 

さて鶏と葱が煮上がった所で、豆腐を加えます。

 

 

この豆腐の煮え具合だけは、その場についていて、きっちりと

仕上げたい所です。

 

武内の場合は、やや薄目の色紙と言う切り方で仕立てる事が

多いですが、大きめの切り方でも味わいを、良く感じる事が

出来て大いに結構です。

 

ただし、大切なのは鍋仕立てだからと言って、鍋に放り込んで

放置し・・スが立ってしまう、また・・そこまで行かずとも、

 

 

煮えすぎて味が抜けるのは避けたい所です。

 

中心部がほんのりと温まって、最も味わいを感じられる絶妙な

煮え具合、豆腐が豆腐として最も真価を発揮する温度帯を

目指します。

 

 

表面は煮えたぎった煮汁に漬かっていますから、すぐに熱々に

なりますが、この温度が伝わって豆腐の中心まで熱々の沸騰

状態では、すでに豆腐の味わいは崩れ始めます。

 

 

良い豆腐なら、良い豆腐ほど、元々の豆腐の味わいを生かす事を

考えて頂けると、その豆腐の最も適切な温度が見えてくると思います。

 

そして、余熱も計算し火を止める・・・その寸前にでも茹でておいた

青菜や、春菊の葉先の部分などを青味として添えて貰ったら、

それで完成です。

 

 

お好みで七味を振ったり、黒胡椒の粗挽きを留めたり、柚子の削いだものを添えたりと、お楽しみください。

 

 

とにかく、じっくりと火が通って固く締まった状態から緩んできた鶏肉、

 

 

とろっとした食感を感じつつ、繊維のしっかりした食感も残す、存分に

甘味を楽しむ長葱・下仁田葱。

 

中心部が程よい温度で、大豆の旨味・甘味を最大限に感じる豆腐を

シンプルな醤油味の出汁が大きく包み込んで、渾然と楽しませてくれる。

 

 

そんな調和をお楽しみ頂きたい一品です。

 

 

ぜひぜひ、手軽に手に入る素材ばかりですから、その仕上げと言う所に

細かく焦点を当てて、取り組んでみてください。

 

 

絶対にいつもと違う一品になりますから。