ちりめん山椒煮

ちりめんの山椒煮、実は坐唯杏で仕込んでいる作り方は、とてもクラシックなレシピだったりします。

 

でも、レシピそのものはシンプル、酒、たまり醤油、濃口醤油で炊いて、煮汁がなくなるまで、煮詰めたら、バットに広げて風に当てます。

 

本当は天日に当てて、乾燥させたいところですが、池袋のど真ん中では、厳しい部分がありまして、風に当てる程度にとめている、と言った状況です。

 

さて、肝心の作り方ですが、ちりめん、実山椒、それと前出の調味料があれば、OKです。

 

調味料を煮立たせて、そこに実山椒を加えます。 

 

そしてちりめん投入し、ちりめんを壊さないように、そぉっと扱いながら、鍋の中央を開けて、ドーナッツ状のちりめんの山をつくり、中央の穴から煮汁を掬っては山にしたちりめんに回しかける。

 

そして煮汁がなくなるまで煮詰めたら、干して完成です。 

 

でも書くと簡単ですが、時間にして小一時間の根気は必要です。

 

坐唯杏の場合は、先にも書いたように塩分濃度の高い、とても古風な作り方です。

 

 

色合いも醤油色の真っ黒に近い仕上がりで、最近のデパ地下や専門店で見るような、ちりめん山椒ではありませんが、 

 

 

以前働いていた、18歳ぐらいのアルバイトの女の子に、何種類か造って味を見てもらったら、このクラシックなちりめん山椒が1番、美味しいって言ってもらいました。 

 

ちりめんご飯にしての評価ですが、 

 

だから、塩分濃度が高くても、気にならないし、むしろ美味しく感じたんでしょうね。 

 

でも、この世代の若い子でも美味しく感じるなら、古風なちりめん山椒で行こう!って事で、坐唯杏では、この作り方を、もう何年も貫いています。 

 

ご家庭では、煮汁がなくなるまで、煮詰めるのは危険ですし、少し残しても、その煮汁自体が、また炒め物や、ひじきや切干なんかにも利用できるので、アバウトに作ってもらって構いませんよ。 

 

 

 

さて、目安となる割合ですが、

 

ちりめん500gに対して、

 

酒2合、たまり醤油1.5合、濃口醤油1合

 

この割合が、クラシックな割合です。

 

 

今の流行では、さしづめ

 

酒4合、濃口醤油1合、味醂0.5合

 

酒がもったいなかったら、出汁と酒を割っても良いでしょう。

 

 

こんな割合で作られたら、塩分の低い、そのままでも肴になる様なちりめん山椒煮が出来上がる筈です。 

 

実山椒が無ければ、仕上がりに粉山椒でも構いません。

 

庭に山椒の木があれば、葉っぱを摘んできて、叩いて仕上がりに混ぜても面白いと思いますよ。 

 

鮮度の良い素材を、生で刺身にするのも日本料理の最も要となる手法ですが、保存食の文化も日本料理の中では両輪です。 

 

 

 

災害の多い、この国で普段から保存食を蓄えて、有事に備えるのはおせち料理や、その他の節句料理、行事食にも見られる基本の精神です。 

 

ぜひ、こんな一品にも気軽に挑戦なさって、ご家庭の常備菜、保存食としてお備え下さい。

 

 

 

 

 


ランチタイムのレディースセットは武内が作り出した数少ないヒットメニューです。

 

厳密には、ヒットメニューは沢山ある中で、これほどヒットしたメニューも少ないと思われるほど、一時は一世を風靡しました。

 

ミニ丼と、小うどんのセット。

 

分かりやすく、注文しやすい、そして食べるのも気軽に、その美味しさを楽しめると言う、ヒットメニューの要素を兼ね備えていました。

 

 

とは言え、時代の流れで多くの店が、このネーミングを使う様になると

人気も下火になりました。

 

そこで敢えて、加えたのが低価格のレディースセットでした。

 

シラスご飯と小うどん、チリメンご飯と小うどんと言うセットです。

 

シラスは釜揚げに近い、半干しのシラスを使ってその塩分で

白いご飯を愉しみます。

 

チリメンご飯は、チリメンの山椒煮を載せた白いご飯。

 

樂旬堂・坐唯杏の常連の方の中には、夜の〆には必ず大盛りの

ご飯とチリメンの山椒煮を召し上がる方もいらっしゃいます。

 

チリメンジャコを酒と味醂、濃口醤油で汁がないほどに炊き上げて

さらに干します。

 

パラパラの感じに味わいや調味料の塩分が凝縮されます。

 

案外強い味わいなのに、白いご飯と合わせると驚くほどあっさりと

感じる。

 

これが自然の味わいで仕上げた料理の特徴です。

 

余分な旨味調味料などは一切使わずに、シラスの塩分、醤油の煮詰めた

味わいで楽しむ海の幸。

 

これこそが健康的に、ランチタイムを楽しむメニューと自負しています。

 

とは言え、レディースランチは女性しかご注文できないのが

樂旬堂・坐唯杏のルールです。

 

当たり前と言えば、当たり前なのですが、実は男性も同じ価格で

楽しめるのです。

 

丼盛ぶっかけうどんをご注文頂いて、単品でシラスご飯や

チリメンご飯をご注文になると、レディースセットと同じ価格です。

 

違いは、サイズが小さくなる分・・・女性にはデザートをお付けする。

 

このシステムも、やや時代遅れとは感じていますがメニュー自体には

時代の流れを感じさせない、古くて新しい健康志向の感覚が

感じられると思います。

 

 

 


 

 

ちりめんの山椒煮と言っても、最近の傾向を見ると・・

チリメンジャコを使用している店を、殆ど見かけません。

 

かく言う、樂旬堂・坐唯杏でも実はシラスを使っての仕込みです。

 

シラスとチリメンジャコは違うのかと言うと、実際は同じ原料を

使い、釜茹でから干すという同じ工程で造られていますが、

その干し加減に差があります。

 

樂旬堂・坐唯杏でも、その昔はカチリという上乾のチリメンジャコを

使用して仕込んでいましたが、コストから見た仕上がりの完成度に

シラスを使ったほうが良いと言う結論に達してます。

 

その辺は、まだ我々の技術や知識が未熟なのかもしれませんが・・。

 

シラスはシーズンには、色々な物が出回りまして、色が黒く仕上がった

シラスは安い価格で手に入ります。

 

色目がよろしくないだけで、味わいは普通の物と全く変わらない、

でも価格は、普通の物の7割・8割で買える、なんて言うのが

あると、ちりめん山椒を炊く時には、非常に助かるのですが、

 

そうそう、そう言う出物に出会えるわけでもなく、普通のシラスで

炊く時の方が圧倒的に多いと言うのが現状です。

 

そういう裏事情がありますが、坐唯杏で炊くちりめん山椒には

もう一つ、大きな特徴があります。

 

それは、水分を飛ばして仕上げると言う事。

 

1kgのちりめんを炊いたら、最近の流行で言うと、低塩分の出汁、

出汁多めで仕上げる専門店や業者が多いので、下手をすると2kg近く

完成品が出来上がります。

 

 

ところが、坐唯杏のちりめん山椒ですと、水分を飛ばして炊き上げた

上に、最後に干しと言う行程が入ります。

 

 

よって、1kgのシラスを炊いたら、殆ど変わらない1kg、もしくは

8~900gしか仕上がりません。

 

 

その時のシラスのサイズや塩分にも、仕上がりは左右されるので

アバウトな範囲でのお話ですが、同じ量しか仕上がらないと

思っていたら、ほぼ間違いないレシピです。

 

 

この水分を飛ばしたちりめん山椒は塩分が多少強めで、食感も硬く

なりますが、この干し上げたちりめん山椒でちりめんご飯を合せた時の、

鄙びた感じは抜群で、もう市販のちりめん山椒には戻れません。

 

 

とは言え、たとえばご家庭でちりめん山椒を炊いてみよう、なんて

思ったら、坐唯杏と同じレシピでは、けっこう危険です。

 

 

水分が殆ど無くなるまで炊く技術は、経験も必要ですし、

厚手の鍋がないと、上手には炊けません。

 

 

坐唯杏が炊くときは500gのシラスに対して、酒を2.5合、たまり醤油を

1合、濃口醤油を1合ぐらいの割合で合わせて沸いた所に山椒の実を

投入し、シラスを加えてじっくりと水分がなくなるまで炊くと言う方法です。

 

 

もしご家庭なら、全ての調味料を半分ぐらいにして、出汁を加えて倍位に

伸ばし、さっくりと火が入った時点で仕上げてしまうのが良いかも

知れません。

 

この時に刻み昆布を入れたり、最後に煎り胡麻を散らしたりは、

お好みで仕上げて下さい。

 

 

とは言え、さっくりと炊いてバットやお盆に広げたら少し風を当てて

乾燥させる手法を、使ってみると味わいは凝縮し、鄙びた風味が出て・・

 

 

実に趣のある仕上がりとなります。

 

我々の仕事なら、煮汁に出たちりめんの旨味を全て、ちりめんの中に

戻す・・と言う考え方で仕上げますが、さっと炊いてざるに揚げてしまい、

さっと乾燥させてからご飯に乗せて食べる。

 

ご家庭向きの簡易版のレシピも充分に楽しめると思います。

 

 

ちょっとした仕事で、白いご飯が美味しく召し上がれる、そんな

仕事は和食にはたくさんあります。

 

 

気軽に挑戦してみて下さいね。