穴子の一夜干し

厚みのある、大振りなサイズの穴子を、醤油洗いして干物に

仕上げる。


穴子の干物と言うと、あまりお目にかからない品です。


ところが、穴子は天ぷらに揚げる時でも、時間をかけて

ゆっくりと揚げる事で旨味を増す、と言われています。


どう言う事かというと、水分をある程度抜いてあげる事で、

本来の旨味以上の味わいを感じる素材なのです。


特に皮目に関しては、やはり天ぷらを例に挙げれば、天ぷらの

衣を削って、むき出しにちかい形で油の中に入れます。


皮目が柔らかく揚がっていると、食感も悪く、穴子の魅力を

表現できない。



皮目をある程度、パリッとするまで揚げて、身の水分を充分に

抜き、ふっくらと火を入れる。

 

 そんな感覚が穴子の料理には必要です。

 

 

その点を考えると、干物に仕上げると言うのは、理想的な

調理法だと思うのです。 

 

もう、かなり前になりますが、dancyuのライターで有名な

藤田千恵子さんが主宰する発酵リンクと言う集まりがあったのですが、


その時に坐唯杏ブースを出させて頂き、炭火を持ち込んで、

この穴子の一夜干しを炙って、ご参加の皆様に召し上がって

頂いた事がありました。

 

 やや小雨のちらつく、イベント会場の中庭に炭火のグリラーを

設置して、大きなまま炙っては切り付けて、お取り皿にとって

お配りする。

 

 この穴子の一夜干しは、あっという間に品切れになった経験が

あります。

  

みなさん各界の口の肥えた方ばかりの中にあって、過分な評価を

頂いたメニューでした。


<こちらの画像が干し始め>

  

ここに来て、絶好の仕入れが出来て、「一夜干し」をふと思い出し、

仕立ててみました。

 

 こういう一品こそ、ご家庭では決して味わえない料理、プロの技が

光る一品かと思います。

 


 

 



















<こちらの画像が仕上がりの画像です>